月曜日のCOMPASSです。
COMPASS観音寺のお友達、通い始めてから3年8ヶ月。
保護者様のご希望は、語彙を増やし、コミュニケーションが円滑になるようにということでした。
当時2年生のお友達に、保護者様は生活に必要な動作を身につけ、自発的に行動できるようになってほしいということ、そして何より毎日を楽しく過ごしてほしいと願っておられました。
2017年の秋、お友達の来所時のご挨拶は、かすかに小さな声で1音ずつ切れ切れに口にしていたそうです。
会話ができないわけではなく自発的なコミュニケーションできるのですが、その場にふさわしくない言葉の選択をしがちだったそうです。
普段の会話は問題がないようですが、ご挨拶や丁寧語などには課題があり、改まった場面ではなかなか言葉が出てきません。
お友達は語彙力と言葉で自分の気持ちを表現するのに慣れておらず、言葉より先に行動でした。
学習も「したくない!」とやりたがらず、渋々取り掛かるまでに時間がかかります。
分からない問題や、難しいと思う問題があると、すっかり意欲を失い、集中できず姿勢が崩れたり、字が雑になったりしました。
意識の欠如だったり、経験不足で十分な力がないことは、時間をかけて訓練を積みさえすれば可能性は無限に広がります。
お友達に頑張って取り組んでもらったのは、まずは着座姿勢の保持、絵カード(感情、ニ行分)、平仮名・片仮名、そして数の認知とたし算・引き算、そして時計の読みと時間感覚を養うことなどが課題として選択されました。
姿勢は崩れがち、やる気を示さないとき、その都度声をかける先生。
1行書いては褒め、1枚終わっては出来栄えよりも完了させたことを褒め、正答だったらなお褒め・・・自信を引っ張り出そうと取り組みます。
苦手な場面の会話も、最初は1文字ずつの復唱、そして慣れてきたら最初の文字を先生が言い、お友達の挨拶を促していきました。
何にしても意欲が見られなかったお友達。
気持ちが乗っていないので一連のルーティンも覚えません。
忘れていたり間違いを指摘すると、笑ってごまかすことがあったので、話を聞くときは相手の目を見て聞くように伝え続けました。
毎日のように、来所したらまず挨拶、荷物の片付け、トイレ、手洗い・うがい、そして着座して学習課題に取り組む流れを飽きずに繰り返していきます。
お友達の送るCOMPASSの時間。
学習に対するアレルギーのような苦手意識がお友達の心を縛らないようにカルタやしりとりカードなど遊びも取り入れていきます。
そして習慣化のために、最初にその日の課題を一緒に確認、ここまでできたら終わりと時計を見て、目標の時間を決めていきました。
「長い針が6になるまで頑張ろう!」そんなふうに励ましながら。
月日は全てのお友達の成長の味方です。
利用開始から2年半くらい経った昨年の夏頃に、先生たちもハッとする成長のカケラが見られるようになりました。
この頃来所してからの一連の流れは、もうすっかりお友達の日常の一部になっていました。
挨拶の「こんにちは」「さようなら」は、途切れながらではなく、滑らかに言えるようになりました。
着座から学習への取り掛かりがスムーズになり、集中して取り組める時間が増えてきました。
「できる!」という経験の積み重ねの成果か、あれこれと興味の幅も広がってきて、色々なことに楽しそうに笑顔で取り組めるようになりました。
また、よく時間について口にしたり、気にして時計を確認する仕草が見られるようにもなりました。
最近では先生に頼まれなくても、周りをよく見ていて、気がついたことを手伝手伝ってくれ、先生が助けられることもたくさんあるのだそうです。
このお手伝いを通して自然といろいろな動作を習得していることが見ていてわかります。
時間をかけて丁寧にお友達の内側にあった力を引き出す療育。
自信が育ってきたお友達は周りのお友達とも関わろうと意識を向け始めています。
ただ経験の不足から距離を近くとってしまい、相手を戸惑わせてしまいがちなのだそうです。
今後も個別の学びと集団活動での関わりの実践を通して、周りのお友達と心地よい会話・心地よい距離感を学んでほしいと願い、やさしく引き出す支援をこれからも継続していきます。
COMPASS発達支援センター観音寺
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