金曜日のCOMPASSです。
COMPASS武蔵新城DASHのお友達、通い始めてから2年め、年中さんの春を見送ろうとしています。
保護者様のお悩みは「発語がないこと」でした。
また、外出しても店内を走り回ってしまうので、保護者様の指示や声かけが通るようになってほしい、また、人への関心が薄い傾向があるので周囲に興味を持てるようになって欲しいという希望を話しておられました。
保護者様と充分な話し合いの後に作成された個別支援計画は、まだ未完成な生活動作への訓練を取り入れ、興味を持ちそうな課題を探しながら、徐々に着座で集中できる時間を伸ばし、また、発声練習を行って発語を促したり認知できる語彙数を増やしていけるように導くというものでした。
その頃のお友達はまだ2歳。
最初の頃、保護者様と連れ立ってCOMPASSに来所されますが、やはり保護者様と別れるのが辛くて涙を浮かべていたそうです。
なんとか部屋に入れはしましたが、お友達は発語が一切なく、表情も固く笑顔は見られません。
着座を促して課題に誘うのですが、先生の声かけにも全く意思表示はなく、トイレに誘導すると従うものの排泄に至らず、余暇の時間では一向に周りのお友達と関わろうとせず、ひとりで過ごしていたそうです。
支援計画に沿って発語を目指して行われたトレーニング。
お友達がつい笑顔を誘われるような仕草をして見せるなど、リラックスできる環境に配慮し、自然に声が出るようにと働きかけます。
来所のたびに繰り返される発声練習。
まずは「ご挨拶」と「お返事」を重点的に促し、言葉で答えやすいよう話しかけを繰り返していきましたが・・・
実はお友達、お家では声を出してお話しできるのだそうですが、どういうわけかCOMPASSでは自発的に話をすることはありませんでした。
逆に、入退室のとき保護者様の前ではご挨拶ができず、保護者様の姿が見えなくなると、ご挨拶ができるという不思議な行動も見られました。
時と場所、相手によって変わる行動は、お友達の心にあるこだわりだと思われますが、このままではお友達自身がトラブルを招いてしまう可能性があります。
そこで先生達は「COMPASSもお家と同じように寛いだり、お話ししてもいいんだ。」とお友達が信頼を寄せ、安心して過ごせる場所であることを感じて、理解して、納得した上で進んで行動してもらえるよう働きかけていきました。
そんな当初の頃から数えて5ヶ月ほど経った頃から少しずつ変化の兆しが訪れてきたそうです。
その頃には「COMPASSに来ること」がお友達の生活の一部になって、硬い表情ではなく、柔和な笑顔になり、課題に対しても意欲的に発声練習に取り組むようになってきました。
最近ではめざましい声調を見せるようになり、はっきり声に出して言えなかった入退室時のご挨拶もはっきり言えるようになってきました。
決して開かなかった口元には笑みがこぼれ、先生の「これなあに?」という問いかけに「これは〇〇だよ!」と答える姿を見せてくれるようになりました。
来るたびに成功してもしなくても習慣づけた促しの成果もあり、トイレでの排泄も行えるようになりました。
少しずつですが、小さく聞き取りづらかった声も大きくはっきりと聞こえるようになり、自分の気持ちを言葉で伝えようとする場面もでてきたといいます。
そして何より余暇の時間には、周りのお友達を見つけると近寄っていき、仲良く過ごす様子を見せるようになったことは大きな成長だと感じています。
1つのステップを超えると、また現れてくる課題。
お友達も例に漏れず、発語できるようになり、話せるようになってきたとはいえ、さらに語彙力を伸ばし、関わりを学び、自立できることを増やすことが次の目標として見えてきました。
明けない夜はなく、諦めずに繰り返すことでお友達にとって必ず最高の瞬間はやってきます。
そしてこれまで共に歩み共に掴んできた成長を糧に、お友達と一緒に次のゴールへのスタートを切ることに迷いはありません。
COMPASS発達支援センター武蔵新城DASH
所在地:〒211-0044
神奈川県川崎市中原区新城2丁目5番9号2階
連絡先:044-948-7328
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