COMPASS中讃センター 成長の兆しが言葉に繋がるように

木曜日のCOMPASSです。
中讃地区COMPASS児童発達支援センターに通い始めて3年目のお友達、春からは年中さんになりました。
当時の保護者様の気がかりは、発語がないことでした。
そして言葉を始め色々なことへの理解を高めて、しっかり話せるようになって欲しいとの願いを受け、COMPASSでの日々が始まります。

個別支援計画では、まず言葉の獲得を目指し、一語からでも言葉が出るようになるようことを目指します。
またCOMPASSでの活動を通じて学習や遊びへの興味·関心を広げ、経験を積み重ねることで成長·発達を促し、基本的な生活習慣を身に着け、身の回りのことができるように導くという目標が設定されました。

当時まだ年少さんのお友達。
発語はなく、喜怒哀楽の表情も少し薄い印象だったそうです。
部屋の端から端までダーっと走り回り、「ままごとコーナー」でままごと遊びではなく、ただお皿を繰り返しクルクル回してその様子を眺めて手や机をパチパチ、バンバン叩く様子がありました。
他の「こうやって遊ぶものだ」というルールがあるおもちゃでも、お友達の手にかかればバラバラにしてクルクル回す自由な様子を見せていました。
その当時は先生とお友達の間では意思の疎通は取れず、周りのお友達にも関心を向ける様子も見られませんでした。

お友達は体幹も指先の力も弱いため着座姿勢も続きません。
そこでその強化を狙い、体幹には飛び石運動やバランスディスク、手指の巧緻性向上を狙って棒通しやトング、クリップ、スナップボタンの付け外しなどを行いました。
なかなか声を聞けないので、お友達をくすぐって声を立てて笑わせ、また口、舌の体操、母音の発声練習などを繰り返し行ったと言います。

その時お友達は先生の口元を見てはいるのですが模倣をすることもありませんでした。
それでも先生がかける言葉を理解し、反応が返ってくることを期待して、繰り返し繰り返し溢れるほど言葉を尽くし、身振り手振りを添えてコミュニケーションを図ります。

今日はノリノリで楽しんでいるなと思いきや、飽きてくると途端に意識が逸れ、離席してウロウロが始まり、手に触れるものを回し始めるお友達です。
意識を逸らさないよう、くるくると課題を替えていき、切れ目なく展開していくように努めました。
また木製ペグ刺しなど指先を使う集中しやすい教材で楽しんで集中できるようにしたり、手遊びを取り入れたりと工夫を続け、集中が継続できるように導いていきました。

半年経つ秋になった頃、お友達は少しずつ体幹がしっかりしてきて、指先運動も上手になりました。
発語の練習にも慣れてきて、先生の口真似をして「あ·い·う…」の口の形を作り、声を絞り出そうと頑張るお友達。
それはかすれるような小さな声でしたが、不明瞭ながらも単語の復唱ができるようになってきました。
まだ不明瞭ながらもイントネーションや雰囲気も掴めるようになりお辞儀や「バイバイ」ができるまでになってきました。

お友達はCOMPASSで学ぶことを楽しんでいます。
今では先生の言葉を少しずつ理解し始め、指示が通じるようになってきています。
目の前の課題に飽きても、すかさず入れ替わる次の課題には嫌がることなく向き合い、継続しようと頑張っています。

保護者様からも、これまで家庭内では何事も諦めることが多かったお友達がCOMPASSでは何度も挑戦していることに随分驚かれているのだとか。
諦めない姿勢の獲得も、また成長の証しの1つです。
次第に表情も豊かになり、家庭内でもよく真似て言う機会が増え、通っている園の先生からも復唱することが増えたと褒められたと喜んでくださっています。

余暇の過ごし方も少し変わってきています。
あのクルクル回しはあまり見かけなくなり、他のお友達にも関心を示すようになっています。
今はまだ一緒に同じ遊びをするまでに至っていませんが、それでも相手を認識し、少しずつ距離が縮まってきたようです。

来年の春は年長さんになるお友達。
その春に向けて、生活動作の自立や他の活動も新たに取り入れながら、発声練習も繰り返しを継続し、語彙力を向上し、今の成長の兆しが楽しい会話に繋がることを目指して更なる挑戦を行っていきます。

中讃地区 COMPASS児童発達支援センター
所在地:〒763-0082
    香川県丸亀市土器町東4丁目780
連絡先:0877-24-5328

(事業所名をクリックして頂くと事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)

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