COMPASS諫早 動き出した言葉の時間を

月曜日のCOMPASSです。
COMPASS諫早のお友達は、通い始めて3年半になりました。
保護者様は「得意分野を伸ばしてあげて欲しい。」と希望しておられました。
その頃は、お友達からほぼ言葉を聞くことがなかったと言います。
例えば返事の「ハイ。」挨拶の「バイバイ。」など、よく使われる単語だけでも発語出来るようになってほしいと希望しておられました。

保護者様のお気持ちに寄り添った個別支援計画は、お友達が日常的によく使われる言葉の発語が出来るようになることを願い、発音の基礎になる「口の動きを中心にした訓練」などを集中して取り組むように設計されましたが、そのために必要な集中と理解へ導くことが目標とされました。

お友達がやってきたのは春に就学を控えた、その年の初めでした。
就学には着座して学ぶ姿勢が必要でしたが、学習に入るのを嫌って離席、逃げ回ることが多かったそうです。
興味が逸れやすく集中が続かないため、まずはお友達が好み、興味を引く「シール貼り」などから始めて、「ボタンはめ」「ハサミの練習」などを飽きさせないように次々とテンポよく切り替えて示し、集中の持続を促しながら最後まで頑張る感覚を掴めるように導きます。

学習課題としては「ひらがなのなぞり書き」や「カードを使っての発語練習」など盛りだくさんですが、特に筆圧が弱く、文字のなぞりはなんとも頼りない様子。
もちろん発声練習には力を入れ、欠かさず行われました。
絵カードを見せて単語を示し、先生が発音、お友達が口の形や音を真似するのですが、なかなかその一言が出てきません。
「まめ」「もも」「くり」・・・「はい(真似して!)」と、絵カードを繰り出す先生。

お友達の視線は先生とまっすぐ交わり、模倣を誘いながら向き合う毎日が続きます。
共に言葉を目指す時間が、日々が、月々が積み重なり、やがてたくさんの時間の流れが動き出し、先生とお友達の間に強い絆を育てていきました。
季節は冬から春になり、お友達は小学生に。
お友達が小学校で初めての夏休みを迎えた頃、走り回っていた当時の「あの子」を見かけることはなくなってきました。

お友達は指示がなくても自分で学習の道具を準備し、着座姿勢を保ち、意欲的に学習に参加する姿を見せるようになりました。
か弱い筆圧で頼りなげだった「ひらがな」のなぞり書きは筆圧も強くなってきています。
何と言ってもお友達自らから「せんせい!」と声をかけ、課題が終わったことを伝えることも出来るようになりました。
一言が聞きたくて頑張っていた発語の練習成果で大切な母音である「あ行」はスムーズに口の形を整えられるようになってきました。
日常で使う「はい」「バイバイ」「ありがとう」「せんせい」など数々の言葉もよく発し、また表情やジェスチャーでコミュニケーションを取ろうとする様子が見られるようになりました。

「COMPASSは楽しいようで、毎日喜んで通所しています。」と保護者様。
「最近は、自宅でも文字や数字に関心を示していて、成長を感じています。」とのお話も伺って本当に嬉しかったと先生は言います。

4月にお友達は3年生になりました。
お友達の言葉の時間は緩やかですが確かに動き出しています。
発声が自然なことになった今、引き続き日常的によく使われる言葉をマスターできるよう、そしてやがて会話に繋がっていくように、尚一層の関わりの中でお友達の時間の流れに沿って歩みを止めず関わっていきます。

COMPASS発達支援センター諫早
所在地:〒854-0041
    長崎県諌早市船越町891ー2
連絡先:0957-56-9328

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)

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