口呼吸のリスク
呼吸の中でも口呼吸を平素から続ける事は大変リスキーな事であるとご理解下さい。口呼吸を行う理由としては通例は、鼻詰りや、蓄膿症、アレルギー性鼻炎や、顎(あご)舌、口周りの筋肉の未発達、歯並びの乱れや、姿勢の問題等により鼻呼吸が難しくなり、必然的に口呼吸になってしまっています。
口呼吸がメイン呼吸法になると、息を沢山吸い込む為に必然的に舌の位置が定位置の上顎に密着している高位から落ちてしまう事となります。そうすると外気が直接口の中に入り、喉に直撃する事となります。
口の中(医学的に口腔内)に直接的に外気が入り込むと口腔内全体が乾燥する事となります。特に冬場空気が乾燥している時はなおさらで、ドライマウスに発展するケースも少なくなりかねません。
口腔内が乾燥する状態とは、唾液の不足を意味し、唾液が不足するとカンジダ菌等の様なカビの一種が口の中で繁殖する事となり、口内炎からインフルエンザ等に発展する事につながります。口臭の問題が発生したり、様々なアレルギー疾患も併発させる事となり免疫力が低下する事となり最新医学では様々な病気の原因であると考えられるようになりました。
鼻呼吸への移行は学習能力を高める
最新の研究では口呼吸では、脳血流が逓減してしまっているという恐ろしいデーターも現認されており、学習能力を高める上でも口呼吸から鼻呼吸に移行する事により能力を高める事が出来ると科学的に証明される事となりました。
私達も平素の生活からも体験的に知っていると思います。天才、秀才と言われているお友達にお口がポカンとあいているお友達は皆無である事は周知の事実であり、そこで昔から躾教育の中でも、口を開けない事が言われ続けてきたのです。
認知症の研究等でも口呼吸から鼻呼吸へと移行する事が重要な要素であると確認されており、それを促す様々なトレーニングを実践する事が大切であると言われております。
私達コンパス発達支援センターでも様々なトレーニングにより口呼吸から鼻呼吸へと移行支援を実施しており、蓄膿等の問題を抱えているお友達でも正しい対応を行えば、きちんと鼻呼吸出来るようになっております。
言語療育における口腔内トレーニング
舌や口をしっかりと動かく口腔内トレーニングは言語療育には必要不可欠であり、言語療法でもついなおざりにされがちな分野ですが、毎日の取り組みで数週間から3ヶ月もすれば鼻呼吸をメインとした正しい呼吸法を身に付ける事が可能となっております。
お子様の問題と年齢に合わせた正しい口腔内トレーニングをさせてあげて下さい。正しい舌の使い方、唇の使い方、吸い方、吹き方を身に付けさせましょう。基本的には、表情筋を鍛えるとご理解下さい。表情筋は、上唇鼻翼挙筋、上唇挙筋等聞きなれない筋肉が大きく分けても13種類以上もあります。
言葉を習得するには、沢山の筋肉を微妙に使用します。言葉を話すには声が作られなければなりません。呼吸により肺に溜められた空気を、肺から押し出された呼気が喉にある、声帯を通る時、正しく声帯が閉じているとサックスのリードと同じように振動し音が作られます。
しかし声帯で作られている振動にはまだ音色はなく雑音に近いものであります。この雑音を音にするには、鼻や、口から呼気が出ている間で、それぞれ加工されて音として認識する事が出来るようになるのです。
「ま」と「ぱ」の違いは?
口が開いたままだと、そもそも正しい発音は難しいのです。スタート位置が整ってない状態であるとご理解下さい。音にするためには、口腔内の軟口蓋(上顎)舌の奥で喉の始まりの咽頭、咽頭の直下の咽頭蓋、舌の動き、口唇(唇)の使い方で音が構成させるのです。
口腔内トレーニングにより、上記の器官が強化され発語に繋がってきます。微妙な口腔内の動かし方で音が変わるのです。例えば出しやすい「ま」の音は、軟口蓋を閉じ息が口から出ますが、「ぱ」は軟口蓋の力を緩め鼻から音をだしているのです。この微妙な使い方がわからないとパもマも発音出来ないのです。
コンパス発達支援センターでは、某国立大学の医学部で実験検証が行われている口腔内トレーニング器具を試験導入しており、今後言語障がい指導へ新たな一石を投じる事が出来るのではないかと考えております。