月曜日のCOMPASSです。
COMPASS岡山のお友達は就学前の秋から通い始め、現在2年生の冬を迎えています。
興味を覚え「すぐやりたい」と思えばその気持ちが優先し、それが他の人が楽しんでいることでも「私が、私が!」を主張してしまいます。
そんなふうに自分の気持ちを優先してしまう傾向があるので、保護者様は周りと上手くやっていけるのかが心配だとおっしゃっていました。
それは、お友達の就学を半年後に控えた時期のこと。
就学にあたっても「集中力が短いので、小学校の授業に耐えられないかもしれない。」というお悩みをご相談しておられました。
保護者様の思いを受け止めた個別支援計画は「気持ちのコントロールができ、癇癪や苛立ちが減っていくように。」ということや「切り替えが早くなるように。」そして「集中が継続できるように。」という目標に向かっていくものとなりました。
まずは初めて通う環境に慣れて、前向きに学習に取り組むことを目指し、迫っている就学に向けて「集団での活動にルールを守って参加できること、自分自身で日常生活動作をできるようになること」を目指していきます。
保護者様が気がかりだった情緒の乱れから起きる衝動的な行動は、馴染んでくると確かに見られました。
その様子が顕れたときこそが療育のタイミング。
そんなとき先生はお友達と「どうしたらよかったのかなあ?」としっかりお話をしていきました。
そのうえで予想されるお友達の気持ちが乱れる場面を想定したロールプレイングに取り組み、練習を重ねました。
もしかすると他人は自分とは視点も、感じ方も、考えも違うかもしれない、相手も同じことを自分がやりたいと思う同じときにやりたいのかもしれない…
そんな様々な感情があることを受け入れ、相手の気持ちを想像して感じること、相手が自分だったらどう思うかを想像し、何度も場面に適した行動を考えていきます。
自分以外の人の気持ちは、机上での学習で知識以上のものを学ぶのは難しく、人との関わりの中で受け止め、考えられるようになっていくもの。
そこで、先生や同年代のお友達と協同作業に取り組むことで関わる気持ちを培っていきます。
これまで制御することがなかった感情を決して強制するのではなく、自ら考えて望ましい行動ができるように促します。
しかしお友達にしてみれば長年考えもしなかったことですから、理解はしてもどこか腑におちなかったり納得していても、これまでの習慣が顔を出し、自分の意に沿わなかったり、困難を感じるとサーッと感情が迸り、先生の指示や話しをまったく聞くことができない場面も見られました。
その度にまた先生はお友達をきつく叱るのではなく、どうしたらいいかな?と優しく自分で考えられるように話し合うのでした。
答えも、成長も、未来も、その全てはお友達の中にあるものだからです。
それはいつ頃起きた化学変化だったのか、いつしかお友達は笑顔で過ごすことが増えていきました。
小学生になり、ランドセル姿が目に馴染んできた頃には、COMPASSでのルールもマスターし「今すぐ!」を少し我慢できるようになりました。
すぐに結果が出ないのが苦手な教科でも頑張り、学習でつまづいてもすぐに落ち込む度合いも減り、粘り強く頑張る姿も誇らしく映ります。
2年生になった今、気が付くと相手への言葉が柔らかく優しいものに変わっていることに気づきます。
集団活動でも仲良くできなかったお友達ともルールに則って関わることができるようになり、ゲームで負けても怒ったり不貞腐れることなく、切り替えられるようになってきています。
先日、学校のお友達同士でトラブルがあったそうですが、そのときでも立派に適した行動を取れていたと、嬉しいお話をお聞きました。
通い始めて3回目の冬を迎えた今、お友達を見ていると、繰り返し積み上げる学びは、最初は「…わかった。」だけであっても、いつしかお友達自身の力になるのだと感慨深い思いです。
春には3年生になり、今ちょっと苦手な整理整頓や片付け、忘れ物をなくすことや、学習でも少し難易度を上げた読解力などの学習や、切り替え、早い判断、コミュニケーション能力の更なる向上を目指します。
きっとまた「いつの間にか」お友達自身のものになっている新たな成長を見るのが楽しみです。
COMPASS発達支援センター岡山
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