木曜日のCOMPASSです。
COMPASSオレンジの女の子は3歳、昨年の3月から通っています。
当時、発語は喃語のみ、伝える手段のほとんどは指差しでした。
身の回りのことが自分では出来ず、すべてに介助が必要で、トイレに入ることもできませんでした。
保護者様はお友達の成長として喃語から言葉へと成長し、話が伝わるようになってほしいと願われています。
トイレで用を足せるようになり、着座でき、コップで水を飲めるようになり、手をつないで一緒に歩けるようになってほしいとご希望を話しておられました。
そんなお友達の個別支援計画は、保護者様のご意向を反映し、着座の練習や、語彙を増やして会話に繋がるようになること、そして指先の機能の発達を促すさまざまな運動を取り入れることが記載されます。
人懐っこい笑顔のお友達と一緒に楽しい課題になるように、絵カードや絵本での発声練習、言葉のやりとりの練習、手遊び歌で目を合わせ、楽しく発声の練習をすることが提示されます。
手指を使う訓練ではポットン落とし、ふたの開閉、スプーン練習などの機能訓練、またお着替え練習などの生活訓練を取り入れるようにしました。
さて、当初のお友達の言葉では「パパ」「ママ」は理解して発語も上手にできました。
ところが自分の名前は混乱していて、スムーズに出てこないこともありました。
自分と他の人の違いの境界線が曖昧なようで、認知を目指すための返事の練習です。
「先生は(誰)?」「◯◯さんは(どこ)?」と尋ねては、聞かれた人はどの人なのか、指を指して回答するところから繰り返します。
COMPASSが大切にしている挨拶ですが、お友達は言葉は出ても、それは誰かに対するものではありませんでした。
そこで挨拶の練習には「相手の目を見て頭を下げる」というジェスチャーから練習していきました。
また語彙の一部に不明瞭さが見られるため、発声した言葉を正しい発音でゆっくりと復唱して聞かせ、明瞭化を促します。
お友達は着替えのときにも誰か先生がやってくれると決め込み、自分でやろうとせず、じっと待っています。
そこで、取っ掛かりとして先生が手を添えて一緒にチャレンジしてみます。
まずはズボンに足を入れる動作をお手伝いして一緒にやってみます。
次にズボンを引き上げる動作を自分からチャレンジできるよう促し、少しでも引き上げられたら出来たことを大盤振る舞いで褒めると、気を良くして、満面の笑顔を見せるお友達です。
「楽しく学ぶ」をモットーに、来所のたびに遊びの中でたくさんの新しい学びや、出来事に出会うお友達。
まるでスポンジに水が吸い込まれるように、色々なことを吸収するお友達の半年が過ぎた9月の変化にはびっくりさせられます。
自発的な発語が多くなり「(名前)ちゃんね、×××…。」「どうぞ」「いいよ」など、名前もはっきりと言え、日常の応酬話法もびっくりするほど出てきて、会話を楽しんでいる様子が見られます。
自分のやることだと思ってもいなかった着替えも、指先の機能訓練の成果で力もついてきて、ズボンの上げ下げも上手にできるようになりました。
先生の話す口頭での指示も伝わるようになり、しっかり着座して、積極的に目の前の課題に取り組めるようになっています。
最近では目覚ましい言葉のやり取りだけでなく、すっかり日常動作も覚えてきて、自分から入室や退室の準備までやるようになってきました。
たくさん発語は出るようになってきたものの、まだ滑らかな会話文ではありません。
「伝わることが楽しい」という喜びが、お友達に言葉への好奇心を目覚めさせました。
これからも口の動きを見ながら楽しく発声練習し、そして二語文へと繋がるように学びを進めます。
指先の機能の発達を促すために機能訓練を欠かさず、手洗い・うがい・トイレ・衣服の脱着、これらをスムーズにできるように日常動作の練習を続けます。
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