金曜日のCOMPASSです。
COMPASS観音寺のお友達、もうすぐ卒業の季節を迎えます。
出会いは4年前の9月。
系列の事業所から観音寺に移ってきたお友達。
最初に観音寺を訪ねてきたときはまだ中学生でした。
保護者様は将来を想い、 いろいろな活動に参加して、自分ひとりでできることを増やしてほしいと希望しておられました。
COMPASSでもできることを増やし、 向上心や自信につなげていくことを目指す個別支援計画を立て、また余暇の時間には自分で活動を選択し、 楽しく過ごすことを目指していきました。
細かい作業はとっても苦手。
初めて教わったことや、慣れないことだとかなり時間がかかっていました。
余暇の時間に先生が提案したことや、お友達に誘われると集団での活動に参加できていましたが、お友達から発信することはありませんでした。
優しくて穏やかなお友達ですが、お友達同士よりも先生たちとの関わりが落ち着くようでした。
手先を使った作業が苦手だとお友達は自分でもわかっています。
ですが同時に素晴らしいチャレンジ精神の持ち主で、尻込みすることも、嫌がることも、途中で投げ出すこともなく「やってみるよ!」と手を伸ばします。
最初は簡単な工程からはじめ、次第に難易度が上がりますが、お友達は苦手な作業にも素晴らしい粘り強さを発揮します。
忘れないよう、覚えた手順が完全に習得できるよう繰り返しながら技能の定着を目指していきました。
訓練で精度と速度の向上を目指し、手指を使った作業をどんどん取り入れました。
取り入れた手芸や制作の中には、お友達にとって難しいものもありました。
その困り顔を見ると、先生も手伝ってあげたくなるのですが、自分から助けを求めることもまた学習です。
先回りして手伝うのではなく、お友達自身から「手伝ってください。」という声が掛かるのをグッと堪えて待つ先生です。
日々の療育ではどうしても先生との時間が増えてしまうお友達。
そこで土曜日や長期休暇などに集団活動を取り入れ、その日は周りのお友達と協力して食器洗いや洗濯物を干したり畳んだりと、日常生活に必要な動作を経験する機会をたくさん作りました。
この集団活動で、お友達はトランプやUNOなどのカードゲームやオセロ、ジェンガのスリルや面白さを知り、遊びを通してみんなと過ごす遊びや作業、そして会話の楽しさをたくさん経験していきました。
観音寺での療育が始まってから半年が過ぎた頃。
それまでの経験が実を結び、余暇の時間には言われるままではなく、自分のやりたいことをちゃんと自分から伝え、お友達を誘って遊んだり、制作をしたり、生き生きと活動する様子が見られるようになりました。
巧緻性の訓練でも少し様子に変化が見られるようになり、作業しながら自分なりに工夫を重ね、 自分に合ったやり方や、効率の良い方法を考えながら集中して取り組めるようになってきました。
それまで言われることをこなすだけだった活動が、自分の目的をもって活動する時間となっていきました。
あれから4年と半年が過ぎました。
今もお友達はしっかり訓練を継続していますが、自分だけでできること、助けを求めるべきことをしっかり見極めて訓練に臨んでいます。
手助けしてもらったことも、やがて自分ひとりでできるようになっていったお友達。
「どれがしたい?」と最初は提示された活動から選んでいましたが、最近は「これがやりたい!」と自分から要望することが増えてきたのだそうです。
その手芸や工作も、自分のものだけでなく、家族や友人にプレゼントするために作るようになってきました。
自宅でも材料を買ってもらって制作に励んでいるのだそうで「お休みの日に〇〇を作ったよ!」と話してくれています。
遊びでもトランプの神経衰弱が得意になり、COMPASSで1番のプレイヤーを目指しているのだそうです。
本当に強くなっていて、最近では先生達もかなわないこともあるのだそうです。
培った自信を瞳に宿し、すっかり青年の顔になったお友達との別れも、すぐそこに迫ってきています
春が来れば、私たちと同じ社会人として巣立っていくお友達を思うと、少し誇らしくて寂しい苦さを感じます。
もう限られた時間となりましたが、それまでの日々の活動が、お友達の手から生まれる作品が、お友達同士のふれあいが最高であるようにと願い、旅立ちの日を笑顔で見送りたいと思っています。
COMPASS発達支援センター観音寺
所在地:〒768-0013
香川県観音寺市村黒町230-2
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