月曜日のCOMPASSです。
COMPASS高知に昨年から通っているのは年長さんの女の子。
自分がこうと決めると途中で修正ができず、友達関係がうまくいかないのだそうです。
周りのお友達と考えが違っていても、自分の思い通りにやることに全く躊躇せず、特に同じ学齢のお友達とは衝突が多くなりがちなのだとか。
家でも園でも思い通りにできないときには癇癪が起き、手が付けられなくなるほど大荒れなのだそうです。
保護者様はお友達の様子をひどく心配しておられ「癇癪を減らし、周りの事情も考えて我慢ができるようになってほしい。同年代の友人と上手に過ごせる様になってほしい。」と切に願っておられました。
そこで個別支援計画では「言葉で自分の気持ちを伝えたり、会話でのやり取りが増え、会話の楽しさを感じられるようになる。」という目標が設定され、COMPASSでの学びを通し、場面に応じた言葉や関わり方を知り、行動できるようになることを目指します。
お友達は、静かに着座することが苦手でした。
座ったかと思うと、引き出しを開けたり閉めたり、不意に離席したりと、落ち着きがありません。
先生はその都度課題に集中できるような言葉掛けをしていきながら、引き戻そうと試みます。
しばらくは着座姿勢に戻っても、またすぐに姿勢が崩れるので、今度は背筋を伸ばすように声をかけます。
どうやら体幹が弱いことも姿勢の維持ができないことに繋がっているようなので、並行して理学療法士による体幹を鍛える運動も活動プログラムに取り入れていくようにしました。
お友達の会話はというと、少し発声で不明瞭さがあったため、パタカラ体操や構音練習プリントを使って反復練習で改善を試みます。
語彙を増やしてスムーズな会話に繋がるために、絵本やカードを使って語彙の獲得も目指しました。
こうして日々が過ぎ、利用開始から半年経った7月頃に最初の兆しが現れてきます。
実は療育中でも自分の考えと違う指示があると、明らかに不愉快そうで離席する様子があったのですが、この頃には先生の指示に素直に従い、落ち着いて目の前の課題に着座姿勢で取り組む姿を見せるように!
更に特筆すべきは集団での活動のとき。
何がなんでも自分のペース、自分の思いが全てだったのに、活動のグループになった他のお友達を待ってあげられるような優しい行動も取れるようになったことです。
この成長のきっかけになったのはやはり会話の上達です。
想像以上に語彙の獲得、会話の上達が見られ、お友達同士のやりとりがスムーズになってきています。
お友達は表情までも柔らかくなってきて、可愛らしい笑顔を見せるようになりました。
ご家庭でも明らかな変化が見られるそうで、保護者様からも「自分の思いを言葉で伝えることができるようになり、園の集団行動でも以前のような衝突も減り、コミュニケーション能力が向上しているようです。」と、嬉しい言葉を聞かせていただいたのだそうです。
この成長を象徴するかのように、COMPASSでも周りのお友達に目を配るようになり、小さなお友達を手伝ってあげたり、優しい言葉を掛けてあげている様子を見せたり、そればかりか、あんなにこだわっていた自分のペースを崩されたときでも、何とそのお友達を優しく許すという行為を見せ、その場にいた先生たちは小躍りして喜んだのだとか。
通い始めてから1年、これは「自分がすべて」だったお友達が、こんなに変化を見せた奇跡の1年です。
目指すゴールがある、そこに向かって正しい学びを選択し、あきらめずに繰り返し、できるまで何度でもチャレンジするCOMPASSの療育。
このまま成長を促しながら、更に相手の気持ちを考えた会話の選択や優しい行動ができるようになって欲しいと願い、少し高いレベルの目標に向けてチャレンジします。
今はまだ蕾のお友達ですが、眩しい春の開花を目指して、今、新しいスタートを切ります。
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