水曜日のCOMPASSです。
COMPASS川崎に一昨年のちょうど今頃から通い始めたのは現在1年生のお友達。
COMPASSに通う前は、どんな場面でも、周りの人がどんな行動をしていても自分のアンテナが捉えるものにしか関心を向けなかったといいます。
COMPASSに通い始めた頃のお友達は着座できず、できてもすぐに離席し、周りのお友達と同じことができず、個別の課題への取り組みも集中できていませんでした。
自分の関心が向くこと以外は受け入れず、いつでも自分ルールにこだわっていたお友達でした。
そんなお友達に保護者様は人との関わり方や集団行動に慣れて欲しいと話しておられたといいます。
きちんと相手の思いを受け取れるよう、相手の話を聞いて理解する力をつけて欲しいと願っておられました。
当時年中さんのお友達のための個別支援計画では、周りを意識して、一緒に過ごせるようになること、会話の中で表情や仕草から相手の気持ちが分かるようになることを目標に設定し、また就学を見越して身の周りの文字や数字に興味関心を持ち、読む習慣を身につけていくことを掲げました。
あくまでも自分の関心ごとにこだわり、マイ・ルールを貫くお友達、それは孤立を意味し、思い通りにならないことに沢山ぶつかり、感情を抑えきれずに大泣きすることも度々ありました。
そんな時にも、まずは一旦クールダウン、そしてゆっくりと自分の行動を振りかえることができるよう時間をかけました。
COMPASSは強制ではなく、自分の判断でより良い道を選択できるように導きます。
好き勝手に振る舞うことで最終的に辛い思いをすることや、その時はよくても次のどの道にも繋がらないことをどうすれば理解してもらえるのでしょうか?
例えば着座中にお友達が離席しても、何度も何度でも声をかけ、お友達が戻りやすいように道を作ります。
気になるのは自分のやりたいことで、先生の指示なんて聞いてなんかいられないと言ったお友達。
そこで先生は「今から話します。」と伝えて注意を向けてから指示を出すよう努めました。
自分本位の思考で先生の提示する課題にも「やりたくない」「それよりこっちがいい」など平気で口にするお友達。
計画的に組み上げたプログラムですから、なんでもやれば良いというわけではありません。
課題については先生は一切譲らず、静かに、そして冷静に「いいえ、順番にやります。」と伝えます。
ただ「終わったらこっちもやろうね。」など、お友達の気持ちも汲み取りながら先生の指示を聞くことができるように促していきました。
目に付くものに常に関心が移りやすいお友達、気に入ったことや楽しい!と感じたことでは一気にテンションも上がります。
ノリノリがすぎて切り替えに時間がかかる傾向があることから、有効だと思われるCOMPASS独自の課題である「静かタイム」を取り入れました。
ですが、耳に入ってくる音や視界に入るあらゆるものにすぐ反応してしまい離席するお友達。
静かタイム中にも少しも黙っていられず、わずか1分間の静かタイムが成功できませんでした。
それを来所のたびに繰り返し、ようやく5回目で1分間「静かタイム」をがんばり通せたのだそです。
その成功で担当の先生だけでなく、みんなから褒められたお友達です。
それがきっかけとなって、その他の課題への取り組みにも、これまでの様子とは違う取り組む姿勢を見せ始めたのだそうです。
言葉遣いが乱暴で雑だったり、自分が優先なので先生が話している最中に話をかぶせて自己主張してしまうことも度々あったお友達。
そんなときは「先生が話しているから、今は〇〇くんはどうしたらいいと思う?」と問いかけ、気づきを期待しながら「先生のお話が終わったら、〇〇くんの話をちゃん聞きます。」と話し、ちゃんと聞いてもらえるんだということがわかって順番を待つように促しました。
とはいえお友達のこれらの行動は悪気がなく、注意を受けても「一体何について怒られているのか?」を理解できていないために繰り返しているようでした。
大胆に行動するのと裏腹に、先生から注意を受けたとき、自信を失ってしまう様子も見せていました。
言われたことを理解し、気持ちを盛り返して次に進めるよう、間違っても再挑戦できるよう、少しでも良いところ、できたことには常に最上の笑顔で、言葉で、手放しで褒めました。
こうした取り組みを続け、明るい兆しが現れてきたのは翌年の進級する前だったといいます。
ここまで実に8ヶ月余りの取り組みでした。
(後半へ続きます)
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