COMPASS川崎 静かタイムをきっかけに(2)

木曜日のCOMPASSです。
COMPASS川崎のお友達が通い始めて8ヶ月が経ち、お友達は年長さんに進級しました。
当初は自分の興味があることだけしかやろうとせず、指示も注意も受け入れず、提案した課題には「これは嫌!」など自分の意志を通そうとする傾向が強かったお友達です。

変わり始めた最初のきっかけは、COMPASS独自のカリキュラム「静かタイム」でした。
わずか1分もきちんと座ることができず、来所のたびに何度も繰り返し挑戦し続け、通い始めてから3週間経った5回目の利用で1分間の静かタイムを成功させました。
少し大袈裟なくらい先生は褒めちぎり、その成功体験がお友達の意欲を刺激し、その後の様子は一変します。

先生の話を聞いた後には自分が話す順番が来ることを理解して、先生の話の途中であまり口を挟まなくなりました。
相変わらずやりたいことを優先に気持ちも行動も動きがちですが、翌年春からは先生と事前に話し合い、開始前に目標を明確にすることで、課題にを途中で諦めたり、嫌がったりすることが減ってきました。
文字を読むことや書くこと、数字を覚えて数え足したり減らしたりといった学習で「わかる!」という喜びをたくさん得られたお友達は、学習に対する意欲の向上が見られるようになりました。

週に2回、欠かさず通い続け、少しずつ視野を広げていったお友達。
COMPASSでは学習中の離席もなくなり、指示に従うことができるようになりました。
集団活動では相変わらず集団活動のゲームのルールを都合よく捻じ曲げた解釈をしがちですが、少なくとも着座中の離席は目立たなくなってきたようです。

そしてこの春、お友達は小学生になりました。
驚くことに学校ではお友達の好ましくない面顔を出す場面の報告を受けることになりました。
保護者様のご意向で、担任の先生を交えた情報を共有したところ、毎日のようにお友達とのトラブルが見られるということがわかってきました。
COMPASSではできている着座姿勢の維持もできず、授業中に退室・離席をしてしまうのだそうです。

日々学校の同級生との間で起きるトラブルは、自我を出しすぎる傾向がその原因のようでした。
実はお友達は学習面が優秀であるがゆえに、学校や、授業や、周囲のお友達への敬意に欠けた行動をしてしまうのかもしれません。
COMPASSで見せる成長した姿を先生にお伝えすると、支援に対する見立てや方向性に対しても賛同の言葉をいただき、これからも学校・ご家庭・COMPASSで情報や支援の共有を行っていくことを確認し合いました。

一方、COMPASSでは日ごとに成長する姿を見せるお友達の姿があります。
今は自己流の考え方にこだわった主張も影を潜め、今やるべきことの理解が身についてきているようです。
保護者様も気になったこと、不安に思われていることをCOMPASSに話してくださり、COMPASSと保護者様相互で普段目に見ることのないお友達の状態や様子が理解できて、ご家庭での支援に繋げることができていると理解を示していただいています。
これまでは身の回りの人への不満ばかり口にしていたのですが、最近はお母さんのことをとても嬉しそうに話してくれるようになって、先生は心も成長していると感じているのだそうです。

学校での行動も心配ではありますが、今はCOMPASSでのお友達同士の関わりを通して、衝動性を抑えながら、円滑に、楽しく、いつ、それがどこであっても落ち着いた行動ができるようになることを目指し、また今まで「できない」と躊躇していたことにも挑戦して「やってみたらできた」という成功体験を積み重ねて自信に繋げ、離席せず集中して取り組める時間を延ばしていきたいと思います。
お友達の見せる小さな成長のカケラは無限の可能性を秘めています。
いろいろな側面を見せるお友達ですが、これからも個性そのままを受け止めながら、もっと優しく、もっと大らかにと可能性を広げていけるように関わっていきます。

COMPASS発達支援センター川崎
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