COMPASS武蔵新城 「ママ、あのね…」という声に…(1)

月曜日のCOMPASSです。
COMPASS武蔵新城に昨年2月から通い始めたお友達がいます。
翌年の春に就学を控えた、当時年中さんの終わり頃でしたが、お友達にはまだ発語がありませんでした。
指示が通りにくく、離席が目立ちます。
文字の認知が弱く、読み書きもまだできていませんでした。

保護者様は「言葉を増やし、名前が書けるようになってほしい。」と希望され、何より「ママあのね…」と、親子で会話ができるようになってほしいと願っておられました。
そして、善悪の判断を身に付けられるようになってほしいとも望まれていました。
ご希望を受けて立案したのは「周囲のお友達とルールを守って仲良く遊べるようになること」を目指し、言葉を増やし、自分の気持ちを伝えられるように練習していくというものです。
そして気持ちの切り替え方法を学んでいきます。

お友達は、指先の力が未熟でしっかり動かしたり掴んだりすることが難しかったようです。
また基本的なポジショニングが崩れているようで、素直に先生の指示に従えず、自分のやりたいことを主張するような様子が見られました。
気持ちのコントロールが難しく、時折、嫌な気持ちを表すのに、物を投げたり落としたりして言葉にならない気持ちを伝えるしか手段がありませんでした。

お友達と取り組むのは、言葉を育てるために絵カードを使ったマッチング、絵本の読み聞かせを通して語彙の習得、言葉の理解、挨拶などの練習を行います。
そして表情認知カードを使って気持ちを読んで表すことを練習し、先生の表情を真似する練習、表情筋を動かす練習も繰り返します。

また、プリントを活用した運筆練習をするなどの学びを繰り返し、押し込み棒などを使って巧緻性向上を目指します。
学習の始まりと終わりには必ず挨拶をして、きちんとできたら褒めて正しい行動が分かるように言葉をかけ、お友達の承認欲求を満たせるように声掛けを続けていきました。

言葉が出ない苦しさが、お友達の物を投げてしまったり落としたりして注意を引こうとするような行動が度々現れました。
特にお母様がお迎えに来所したときの嬉しさを素直に表現できず、落ち着かずに激しい行動が目立ったのだそうです。
そこで、保護者様には外で待っていただき、一通り帰るまでの行動を済ませ、最後に挨拶を終えてから、ようやく保護者様の待たれる玄関の外に連れていかないといけなかったそうです。

困った行動はいろいろと見られましたが、例えば課題やゲームでも自信が持てないことにぶつかると、先生に向かってブーッと唾を飛ばすこともありました。
自信のなさがこういった態度になってしまうため、自信を育てたいと、先生はお友達が興味のある工作やブロック等「できた」と実感することに多く取り組みました。

何よりも発語が進むように、母音から始まる言葉の認知と、発声練習を繰り返し行いました。
気持ちのコントロールが身につくように、棒に積み木を刺していく押し込み棒を活用して、目と手の協応動作を訓練しながら、力の入れ方、緩め方の練習で感覚を養えるよう取り組みました。

生活動作の習得に向けて、指先の力をつけるために洗濯ばさみの開閉を繰り返し実践していきました。
善悪の判断は、人形を使いながら色々なケースを想定し、ロールプレイングで学びを深めていきました。
一朝一夕では、思ったようにすぐに改善は見られません。
なかなか発語にもつながらず、棒に積み木を挿していくのにも時間がかかり、苛立っては物を投げたりする状態はしばらくの間続きました。
そして、最初の成長が見られたのは、年長さんになった10月になった頃だったそうです。

 

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