COMPASS高知 穏やかさを手にして(2)

木曜日のCOMPASSです。
お友達かCOMPASSに通い始めておおよそ1年が経った頃には、これまでの積み重ねが実を結び、言葉の明瞭化はだいぶ図られてきました。
それまではあまり周りのお友達に関心を向けることはなかったお友達です。
しかし、話すことが伝わるようになってくると、相手への興味が芽生えてきたようです。

それまでのお友達は、COMPASSに限らず人に関心を示すことなく、ましてや近づこうともしませんでした。
それがCOMPASSという環境に慣れ、集団活動で顔見知りになり、言葉が伝わるようになると、余暇の時間にも一緒に遊ぶようになりました。
集団で過ごすことに慣れていないお友達は、順番やルールを守ることを認識していないために起きるトラブルが見られるようになりました。

ですが、これはお友達が人に興味を持ち始めたからこそ起きたことだと考えられます。
語彙力が上がり、場面ごとでの表現が上達していくにつれて、話し合いだけで解決できる事案も増えていきました。
COMPASSでもお友達と呼べるお喋りする仲間ができました。
いつでもべったりと一緒に遊ぶことはありませんが、集団活動のときなどにお互いに意見を言い合い、素晴らしい話し合いを楽しんでいる姿が見られるようになりました。

最近、日常生活の動作を学ぶプログラムで「お買い物体験」が行われました。
お友達もこの企画に参加してお買い物を楽しみました。
欲しいものがすぐに見つからず、店員さんに商品の場所を尋ねたお友達。
案内してくれた店員さんにお礼を言うこともでき、しっかり実践の場での会話が成立していました。
自分でレジに並び、支払いも自分で計算して丁度の金額を支払うこともできていました。

通い始めてもうすぐ5年。
静かタイムなどの効果がはっきりと成果に現れ、怒りを抑え、課題にも集中できるようになってきたお友達。
お友達の取り組みの第一段階はクリアしましたが、これからは、ただ作業として物事をこなすのではなく「自分で考えて結論を導く」ことへのシフトチェンジが始まりました。

そのためにはプリントやテキストであればよく問題を読み解くこと、そして対象が人であれば、話をよく聞いて理解することが必要となります。
ざっと流すだけになってしまいそうなことも、穏やかに、面倒がらず一つひとつ段階を経てゴールへと向かう傍らに、COMPASSはいつも寄り添っていきます。

COMPASS発達支援センター高知
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