COMPASS丸亀Link 社会への旅立ちに寄せて(1)

火曜日のCOMPASSです。
COMPASS丸亀Linkにお友達が通い始めたのは5年前の11月。
今年の1月22日のブログでもお友達の様子を紹介していますが、目に入る声や音、光、動くものなど、周囲の環境に左右されやすかったお友達。
一旦それを捉えてしまうと、そのときに取り組んでいた課題に全く集中できず、同じ動作・間違いを繰り返してしまいます。
お友達は指示には素直に従えますが、相手の行動を見て適切な距離で関わることが苦手です。

そんなお友達を想い、保護者様は「お友達とのコミュニケーションがとれるようになってほしい。」と希望されていました。
社会に出るときに困らないよう「自分一人でお買い物に行けるよう、お金の計算や時計の理解ができるようになってほしい。」と願われ、また、お友達独自の「こだわり」からやってしまう指や足にテープを巻いたりといった行動が減少してくれたらと話しておられました。

個別支援計画では、1つ1つ丁寧に取り組みながら以下の項目に取り組むことになりました。
① 他の人との距離の取り方を学び、社会生活に向けて場面にあった言動ができるようになること。
② 身の回りの清潔を保ち、整理整頓を習慣化し、基本的生活習慣を身につけること。
③ 落ち着いて学習に取り組み、簡単な文章を書いたり読めたり発表したりできるようになること。
そして、お金の理解、計算(電卓)、時間の理解ができるようになることなどが目標として設定されました。

即、生活の場面で必要となるお金に関する学習は、手始めに硬貨の種類の識別から始めました。
実物の硬貨を並べ、「100円はどれ?」というように、それぞれの硬貨の種類を先生が尋ね、お友達は指差して回答します。
それを繰り返した後、買い物のイメージがつくように模擬体験でお金を数えたり、実際のチラシ広告を使い「これとこれを買ったら全部でいくら?」といった計算練習を繰り返していきました。
時計では時計カードで針の形ごとに何時何分だと繰り返し学び、実物の時計を使って視覚的に興味を持てるように導きました。

何度も、何度でも、わかるまで、できるまで、これがCOMPASSの取り組みかたです。
言われるまま活動に取り組むのですが、多くの課題は回数を繰り返しても全く定着を見ませんでした。
そもそも学習課題に苦手意識があり、加えて周りが気になって仕方なく集中できません。
知り合った他のお友達が学習中であってもお構いなし、一方的に話しかけてしまいます。
気づいた先生が止めるように何度も声を掛けるのですが、止まりません。
今は何をすべきときか?、優先事項は何か?、人の迷惑になっていないか?その課題をお友達が意識しながら行動できるように常に話しかけ、意識できるように促しを続けていきました。

お友達と行った学習課題は、忘れ物がないように日記、メモをとる、持ってくるものの読み取り、そして人前で話せるように夏休みの体験発表や会の始まりの言葉をいう体験、お金の計算、出し方や金額の読み方、1~30までの数と量の計算、時計を読むなどでした。
日常生活の動作を定着させるために雑巾がけ、モノの扱いかた、持ち物の整理・整頓、水やりや雑草を取るなどの畑のお世話を行い、また、パーソナルスペースやタイミングをあっさり無視してしまうことのないように、相手の状況や気持ちを考える練習を繰り返しました。
そして約3年を過ごし、高校生になった頃お友達は言われるままという受け身の姿勢から、意欲的に取り組む姿を見せるようになってきました。
(後編に続きます)

COMPASS発達支援センター丸亀Link
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