金曜日のCOMPASSです。
COMPASS吉富Kindに系列事業所から中学生になる少し前の昨年2月に移ったお友達。
将来を見越し、就労に向けた必要な技能を身につけることを考え始める時期になっているお友達ですが、日常生活動作がまだ完成されていない状況でした。
トイレでの排泄はできるものの、生理時の手当てや排泄後の後始末がまだ十分ではありません。
身だしなみも自分だけでは綺麗にすることを意識して整えられない状況だったと言います。
保護者様は、将来は就労支援B型の作業所を希望しておられます。
そこで吉富Kindでは、時計も含めて時間を読めるようになり、お金の使い方が理解できるようになり、一人で外出できて、困った状況の時に助けを求められるように自分の想いが伝えられるようになること、家事のお手伝いや、マナーやルールも習得して欲しいと願っておられました。
個別支援計画もまたお友達の将来を見据えたものとなりました。
まずは自分のできることを増やし、動作を向上させ、生活を豊かに、自信を持って社会に旅立てる未来を目指し、身辺自立や就労に必要な技能の習得が課題として挙げられました。
お友達は、毎日学校が終わるとCOMPASSにやってきます。
お友達との活動は、まずは自然に生活動作の向上を目指し、動作を練習しながら机上では「ひらがな」「数字」の書き取り、名前の自署の練習、そして並行して時計やカレンダー読みの練習、そして少しずつ外出の練習などです。
先生は仮想ではあるものの、色々な場面を想定した活動を楽しく行うよう心がけたと言います。
文字の書き取りはCOMPASSの教材を利用して、毎日必ず行われました。
どうしても時計を読むのが苦手なお友達。
「時計の”長い針”が〇になったらこれをしようね。」といった、わかりやすくて明確な指示を出すようにしたり、カレンダーを読む練習として、「今日はどこか?」を確認して、その日付をプリントの日付欄に正しく書くように促しを続け、習慣としてマスターできるよう目指しました。
長期休みにはお買いもの学習も行われました。
通称「お使いミッション」と名付けられたこの活動は、事前にお母さんから母に何を買ってきてもらうか依頼してもらい、その売り場に行って目指す品物を探し、購入、支払いまでがきちんとできるよう見守りながらの活動です。
また外出学習の一環として図書館へも出かけました。
もちろん図書館はシーンと静まり返った空間で、お友達は公共機関でのマナーやルールを守ることを学び、そこにあるものを丁寧に扱うことも学び、貸し出しの係の方にも挨拶をするなどたくさんの学びがありました。
中学生になったお友達ですが、小学生の頃と同様、甘えん坊なところは残ったままです。
以前のCOMPASSでも活動中にピタッと行動が止まり「やって〜」と甘えてきていたのですが、Kindでもそのままの態度を見せることもあります。
その活動はお友達が自分ひとりでできることなので、先生は自分でやるように促すのですが、決まって「出来なぁい」とそっぽを向き、困らせようとしたり、笑って誤魔化そうとするのだそうです。
そうかと思えば、全く先生の声かけがなくてもひとりでできることもあり、その場合には、大いに褒めるように努めているそうです。
これに気をよくして他の活動にも意欲を見せるお友達です。
お友達は承認欲求が強い方なので、この「褒めて認める」承認を機会があるたびにCOMPASSだけでなく、ご家庭でも取り入れるようにお勧めし、二人三脚の連携体制で成長を促していきました。
時間の概念・認知を進めるうえで「今・現在やっていることには全て流れていく時間がついてくる」ということを意識できるようにタイムキーパー役を先生がやり「長い針がここにきたら次をやろう。それまでには終わらせよう!」と時間を常に意識した行動をとるように心がけました。
日常的に会話では子供っぽい言動も見られ、その都度言い直しを促し、正しい日本語を使えるように目指しました。
ずっと長い時間身についてきた習慣を変えようとするには時間がかかります。
それでも意識し続け、練習を繰り返し、励まされ、褒められていくたびに確実に足跡を残していくことは間違いありません。
やがてほんの少しですがお友達が成長を見せるようになったのは、季節がもう一度冬を迎えた頃でした。
(後編へ続きます)
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