COMPASS唐津 春の芽吹きを待つまでもなく(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS唐津に通う年中さんのお友達は昨年の夏休みの終わり頃から通い始めています。

お友達には発語がなく、ひらがなもまだ書けません。
保護者様はお友達の言葉を心配され、言葉でやり取りができるようになって欲しいと望まれていました。
そしてお友達が排泄をトイレでできないことも困られていて、トイレでの排泄ができるように願われていました。

個別支援計画は、まず新しい環境に慣れ、COMPASSでお友達と楽しく過ごせるようになることを目指します。
生活動作の向上を目指しながら、絵本、あいうえお表、ひらがなのうた、絵カードなどを活用しながら、言葉で自分の気持ちを話せるようになることを目標にしました。

COMPASSでは誰にでも、入退室のとき、活動の始まりと終わりには挨拶ができるように促します。
お友達にも挨拶を教え、来所すると自分で靴や鞄を片付け、トイレに行き、手を洗ってから着席する流れを教えていきます。
トイレへ行こうと促しても、拒否が強く、なかなかトイレに入ろうとしなかったお友達です。
それでも来所するたびにこのルーティンに沿ってお友達の「新しい当たり前」になるように促しを続けました。

お友達は難聴という問題を抱えていました。
このため、なかなか口頭だけでは指導員の指示を聞き取れずに、活動に集中できませんでした。
お友達にわかりやすいように時には紙に書いて説明したり、イラストを見せたりして補足していきました。

聞こえに困りごとのあるお友達との活動には工夫を凝らしました。
ここ数年、コロナ禍の感染症対策のため、全員がマスクを着用しています。
発語の指導、特に口の動きを見てもらうため、担当する先生は透明のマスクをつけて取り組みました。
口を大袈裟なほどに開けて50音の動きを表現し、その口の動きに音を乗せて発声する様子を伝えます。
お友達も先生の口元をしっかり見ながら、真似して声を出そうと頑張ってみますが、なかなかすんなりとはいきません。

これまでお友達の生活には「話す」ということは存在しませんでした。
そのせいか、お友達は上手に発声すること、音のみならず息を強く吐くことも難しいようでした。
そこで「呼吸訓練」を取り入れ、ティッシュを吹いて揺らしたり、吹き戻しをして笛を鳴らしてみたりと、発声以前の口を窄めたり、強く吹く動作を個別指導のときだけでなく、遊びの中でも取り入れて練習していきました。
また、お友達に馴染みやすいように「ひらがなのうた」を毎回取り入れ、楽しく発語ができるように取り組みました。

9月になり、新学期が始まってもお友達は頑張って週に5日通ってきました。
1週間、1ヶ月と積み重なっていくお友達との毎日は過ぎていき、いつの間にかクリスマスを見送り、新年を迎えていました。
その頃からお友達に成長のカケラが現れてきました。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター唐津
所在地:〒847-0821
    佐賀県唐津市町田1丁目8-5前田ビル1階101
連絡先:0955-53-8638

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