月曜日のCOMPASSです。
COMPASS松茂に年中さんの5月から通い始めたお友達も、この春2年生になりました。
当初のお友達は目につくものにまっしぐら!
もう、少しもじっとしていられませんでした。
オムツが外れず、トイレで一人で排泄もできていませんでした。
発語もありましたが、言葉は少し不明瞭で、涎が見られ、聞きづらい部分もあったといいます。
じっとしていられないお友達に、保護者様は落ち着いて座って過ごせるようになってほしいと願っておられました。
また自宅でもトレーニングを行っておられますが、トイレでの排泄に抵抗があるようなので、座ってできるようになってほしいと希望していらっしゃいました。
個別支援計画にも勿論この2つの保護者様の願いを叶える項目が設定されましたが、他にも経験を積み重ねることで、お友達が自信を持って色々なことに挑戦していけるようになり、まだ拙い言葉を育て、表現方法を増やしていけるように導いていくことを目標としました。
選択した療育のメニューは正しい発音の練習・口の滑舌の訓練・絵本の読み聞かせ・ことば遊び・カードゲーム・手遊び歌などの言葉の学びから始まり、ひらがなのなぞり書き・数の唱和・マッチングなどで、このためにCOMPASSのプリントでは一番優しいA1~から始めました。
具明瞭な発語の改善のためにまずは滑舌の訓練に力を入れました。
口はまさに健康の入り口とも言えます。
口は、食事を摂ることで、生きるために必須の栄養の摂取をするという器官です。
そして話すという人としての情報を伝達し、心を通わせるための器官でもあります。
顔には目元の眼輪筋、大頬骨筋、頬筋、そして顎(おとがい)筋などたくさんの筋肉があります。
その中でも唇の周囲にある口輪筋は、そのほかの筋肉とは全く繋がっておらず独立しています。
強く吸わなくてもいい哺乳瓶で育った場合、口輪筋が発達せずに、口を開けて寝る習慣が付いてしまうことがあるそうです。
口輪筋の発達が不充分な場合、口唇と舌の協調運動の発育に遅れが見られ、発語や食べこぼしなどに繋がってしまう傾向があります。
また、睡眠中に口が開いてしまい、舌根が沈下し気道を塞ぐこともあり、無呼吸症候群を誘発する場合もあります。
口輪筋をしっかり鍛えると、口を開け、口をつぼむことができ、正しい発音で発声することにつながります。
口輪筋が充分に発達していなかったり加齢で衰えてしまうと、食事をうまく摂れないだけでなく、思うように口を閉じられず、口呼吸への引き金となってしまいます。
お友達の場合もこの口輪筋の筋力が充分に発達していないことが言葉の不明瞭さの原因の1つだと考えられました。
そこでCOMPASSでは、発声の練習として、口の開け閉め、特にしっかり口を閉じる練習からスタートしました。
お友達のよだれや食べこぼしの軽減、そして口元から空気が漏れる不明瞭な発声の改善のため、来所のたびに口舌の運動や口輪筋のトレーニングを継続していきました。
この他にも50音の絵本を使って、指なぞりや発声練習、復唱も欠かさず行いました。
発声の改善を目指しながら、並行して書くこともマスターできるよう、まずは文字の謎理を行いました。
COMPASSのひらがなを書く練習は「し」「く」などの一筆で書ける文字から練習を始めます。
それから50音の読みと組み合わせて、書ける文字を広げていく過程で、お友達には課題が見られました。
筆記具を持ち、書く際に、手が震えてしまい、震えた文字となってしまうのです。
そこで、先生が優しく手を添えて安定させながら文字を書き、書きながら並行して文字をマスターできるように導いていきました。
お友達の課題・文字を書く際に手が震える癖は、一朝一夕では修復できません。
繰り返し復唱、繰り返し指なぞりを重ね、最初は柔らかいクレヨンで太く大きくなぐり書き、次いで枠の中でのなぞり書きへというように段階を踏んでいきました。
同じ課題への頑張りの繰り返しは、まるで迷路を進むようで、実際には簡単ではありません。
それでも継続した頑張りを繰り返して1年半、小学生になったお友達が昨年の年末を迎える頃になると、ようやく迷路から明るい未来への兆しが見られるようになっていきました。
(後編へ続きます)
COMPASS発達支援センター松茂
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