金曜日のCOMPASSです。
COMPASS熊本東に一昨年の春から通い始めたのは、当時年少さんのお友達でした。
お友達は見慣れない人や場所に不安を覚えるようで、園での活動にも参加できないのだそうです。
目が合わせられず、何か伝えようとしても、その言葉は未知の言葉のように聞こえてしまい、聞き取りづらかったと言います。
保護者様は、「語彙を増やし、言葉の発生が明瞭となること」「相手の目を見て話せるようになること」を希望しておられました。
また、怖がらずにいろいろなことにチャレンジできるようになり、園での活動にも楽しく参加できるようになって欲しいと願っておられました。
そこで個別支援計画では、まずCOMPASSに慣れ、楽しく活動に参加できることを第一の目標とします。
また、並行して、発声の改善、語彙数を増やし、場面に応じた会話ができるようになること、日常の生活動作では衣服の着脱やトイレでの排泄ができるようになることを目標に掲げました。
言葉で気持ちを伝えられるようになり、困ったときや手伝ってほしいときに、自分から呼びかけることができるようになるように促していきます。
語彙を増やすために選んだのは絵カード、ひらがなボード、絵合わせカード、そして絵本を読むこと。
また手先・指先の細かい作業の訓練として、積み木、型はめ、マッチング、洗濯ばさみ、ビーズのひも通し、レール遊びなどを楽しみながら行います。
机上での個別学習では、COMPASSのプリントからA-1をチョイス。
そしてみんなと仲良く行動できるよう、集団活動で日付確認、50音唱和、手遊び、静かタイムなどに取り組んでいきます。
COMPASSではルーティンに従って、来所時にご挨拶、荷物の整理、トイレ、手洗い、検温などを行います。
来所したときだけでなく、活動の開始・終了時にも必ずご挨拶をするというのも決めごとです。
目を合わせられないお友達ですが、特に挨拶のときはお友達の視線を先生に向けるよう指示し、対峙できるように誘導します。
さて個別指導では、お友達と向き合って、まずは発声・発語の練習から始まります。
絵カードを示し、お手本として先生が発声を聞かせ、お友達に模倣を促します。
ブロック遊びやごっこ遊びの中でも、擬音語・擬態語の表現を多く用いて、お友達が理解しやすく、発音しやすい言葉をかけていきます。
先生は話しかけるときには必ずお友達の視線を誘導して、口の形や舌の動きをしっかり見てもらうように心がけました。
集団活動への参加も促していきます。
初めてのことには不安になるのか、やりたがらず、抵抗を見せるお友達。
まずは無理に参加をさせるのではなく、活動時間にお友達が自分一人でできるような簡単な課題を提供することにしました。
その課題を最後までやり遂げることで「できた!」という達成感を味わい、自己肯定感につながるように導きました。
時間をかけてその次に小さな集団での活動への挑戦です。
ここでは先生が寄り添いながら皆の前で自己紹介をしたり、50音の一斉唱和、また楽しくダンスといった活動に参加していき、小集団で「できる」を経験。
やがて大きな集団でも「できる」という自信が持てるように促し、園でも臆せずに参加できるようにつなげていきました。
個別でも集団でもお友達は視線の先にあるいろいろなものに心を奪われてしまうことが多かったのだそうです。
視線の先にある何かに気を取られ、よそ見をしながら靴を履こうとしたり、ひも通しなどの作業をするため、とても時間がかかっていました。
お友達の利用は3月からでしたが、2ヶ月ほど経った4月の後半になった頃、COMPASSにも慣れ、一つ一つの活動を頑張る姿を見せ始めます。
そして、いつの間にか元気に挨拶をする姿が見られるようになっていきました。
(後編へ続きます)
COMPASS発達支援センター熊本東
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