COMPASS下到津 拒否から積極性へ(2)

木曜日のCOMPASSです。
COMPASS下到津に通うお友達、以前は集中が途切れてすぐに離席、プリントに向き合おうとせず、そのまま好きな本を読んでいたりという態度を見せることもありました。
その度に声をかけ「難しい!」と強い拒否を示す問題は少し書けただけで褒めていくように心がけました。
玩具の貸し借りもできず、遊びでも勝ち負けにこだわり、負けると途端に機嫌が悪くなるので、仲良く遊べるように、上手く気持ちを伝えられるように、間を仲立ちする先生です。

お友達の学ぶ機会は、それはもう山ほどありました。
集団活動で皆で工作をするとき、道具の貸し借りでなんと伝えたらいいのかを学び、学習では一緒に今日やることを確認し、納得したうえで最後まで頑張る習慣づけを促し、時間が来ると切り替えを促していきました。

そんなお友達の様子に変化が見られ始めたのは利用開始から半年が過ぎた頃からでした。
以前は自分が使っていた玩具を貸せなかったり、「貸して」と伝えても相手から「いいよ」というお返事が返ってこないときには途端に怒り出し、せっかくの楽しい空気が台無しになることが度々ありました。
それがある日、オリジナルのパズルを作ることになり、他のお友達と完成を競い合って作る姿、そして最後には一生懸命作ったそのパズルをお友達にプレゼントする姿を見ることができました。

自由時間から学習活動への切り替えには拒否感を強く示したり、遊びがやめられずに怒り出したりすることもありました。
一度拒否を示し始めると、切り替えるまでに時間を要し、活動に参加できない日もあったのだそうです。
それが現在では「〇〇分になったら、お片付けだよ!」と事前に声掛けをするだけで、遊んでいても自分で時計を確認しつつ、時間になると自分から片付けに取り掛かれるようになってきました。

大嫌いだった勉強も一つひとつ根気よく取り組むように促し続けた成果が見られ始め、理解力も向上し、集中して取り組める時間も増えてきています。
保護者様も学校での様子やCOMPASSでの様子をお友達から聞き「メリハリをつけられるようになり、自分で考えられるようになってきているようです。」と成長を喜んでいただいています。
またご家庭で、言葉で気持ちを伝えようとすることも増えてきているそうです。
実はお友達、年少さんの頃から系列の児童発達支援支援事業所に通っていて、お母さまとのお話の中で、いつも「あの頃からすごく成長しましたね…。」と面談や送迎時にお互いに成長を喜び合っています。

拒否ばかりだったお友達は積極的に頑張る姿を見せるようになりました。
しかし、苦手なこと、嫌いなことが全てなくなってしまったわけではありません。
思い通りにならない苛立ち、適切な言葉を言えないもどかしさは、まだお友達の中に燻っています。
これからはコミュニケーションにもスポットを当て、自分の気持ちを言葉で伝えられることも活動の真ん中に置き、瞬間、かっとするするような場面があっても、自分で気持ちの落ち着かせられる方法を学び、しっかりと行動できるように導いていきます。
優しい気持ちを表せるようになってきたお友達に、相応しい行動が取れるように願いながら、これからも寄り添っていきます。

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