COMPASS中津 伝わる声で…(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS中津に通う小学校5年生の男の子は、数年前のお正月明けから通い始めました。
お友達はとても静かなタイプで、人見知りも手伝って、自分から話しかける様子を見せたことはありません。
何か尋ねられても首を振って頷くだけでした。

長く通うお友達も、来年には小学校の最上級生になります。
そんなお友達を気遣って、保護者様は「お友達同士で遊ぶことがないので、遊べて話せるお友達を作って欲しい。」と願いを語られます。
また、お友達は普通級に通っているため「同学年の学習が出来るようになって欲しい。」と希望しておられました。

与えられた課題もコツコツ頑張るお友達ですが、自発的な行動はあまりみられません。
個別支援計画では、自分の気持ちや思いを伝えられるようになること、そして自発的な行動が出来るようになることを目標と定めました。

受け止めること、伝えることの基本は、語彙力、そして言葉のやり取りの機会をたくさん持つことが必要だと考えられました。
お友達は文章題や作文が苦手で、拒否こそないものの手が止まってしまうこともあるので、言葉や文章への苦手意識を克服することも課題としました。

お友達との課題は原点に戻って「あいうえお表唱和」「教科書の音読」そして「みつば日記」などが選択されました。
「あいうえお表唱和」や「国語の教科書」の音読をすることで、語彙の増加と理解を促し、発語・発言を目指しますが、自信がないのか、その声はとても小さいものでした。

発言をするときは、対象となる相手に伝わる音量で話すよう促します。
相手に伝わるように話すことを「対象を取る」と言いますが、この練習を一カ月の目標にしました。
お友達の精一杯のたった一言が発せられるだけでも、周りの先生たちは皆で褒め、お友達の自信につながるように導いていきました。

またお友達が楽しく目標を目指せるように、ひと月に20個の目標を決めました。
それを1つクリアできたらシールを1つ貼っていきます。
その日の目標を達成するとお菓子を選べるなどの強化子を設定し、ノリノリで頑張れるようにモチベーションを上げる工夫を展開していきました。

何か尋ねられても、言いたいことがあっても、発する言葉を選べず、タイミングを掴めず、思うように伝えられません。
自分の言葉で伝えることが出来ずに、言葉を発するまでに大層時間が掛かり、文章にならず、単語でのやり取りに終始してしまいます。

顔馴染みのいつも声を掛けてくれる先生とだけは一緒に行動することができるようでしたが、人と関わることが苦手で集団活動に積極的に入れず、尻込みしてしまいます。
そのままでは自然な会話が生まれる機会を作れないので、何度も何度も声をかけ、皆と一緒に活動できるように促し続けました。
そしてお友達が中津に通い始めてからおおよそ1年経った頃、促されると素直に集団の中へ足を運ぶ姿を見るようになりました。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター中津
所在地:〒879-0123
    大分県中津市大字田尻1164-1
連絡先:0979-64-7108

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。電話番号のクリックで電話がつながります。)
Copyright(c)2018@compass328 T.0. All Rights Reserved.

初めての方へ

COMPASSの療育手法
ご利用者の声
COMPASS施設一覧