COMPASS岡山ACCESS 発語への扉(1)

火曜日のCOMPASSです。
COMPASS岡山ACCESSに通うお友達、春から小学校1年生です。

お友達には発語がほぼありません。
聞き取れる発声は「あ」「ばっば」「ん」程度だったのだとか。
保護者様のご希望も「話せるようになってほしい」ということと「できることが増えて欲しい」というものだったそうです。

利用初日はなかなか着席できなかったと言います。
言葉での意思疎通は、先生からの指示の理解はそれなりにできているようですが、返事としての発語は聞かれませんでした。
生活習慣の動作ではどれもつたなく、率先してやろうという意欲は見られませんでした。
例えば、手を洗うことも嫌がっていたそうです。

お友達からの意思表示としては、見てほしい時に先生の肩をトントンとたたいたり、読んでほしい本があれば、背表紙の文字を指さしたりするジェスチャーはできるようでした。
とはいえ、お友達はとても警戒心が強く、先生に簡単に馴染もうとはしなかったと言います。
着座を促しても嫌がり、何度も何度も声をかけ続けます。

言葉のコミュニケーションを求めて作成した個別支援計画では、あまり喜怒哀楽を表さないお友達の気持ちの表出を増やすことを目指します。
そのためにはまず、COMPASSで過ごすことに慣れてリラックスして過ごせることを目指します。
また利用の度に生活習慣動作の向上を目指して手指の訓練など巧緻性の向上を目指します。

発語の練習としてお友達の吐く息に強さを育てようと、息を吐く仕草に力強さが欲しいところです。
そこで始めたのがティッシュを口の前に設置して「ふぅ〜」と、息を吹きかける練習です。
口舌の訓練で口輪筋を強くして、さらにたくさん息を吐く練習をするうちに話すという動作に近い口の動きができるようになります。

着座と同様カードで学習活動を始めようとしても、やはり促しに応じなかったのだとか。
また語彙の増加を目指し、しっかりと絵カードをめくって、実際に話せなくても口の形や音を模倣していくという練習も繰り返し行われました。

着座姿勢も、学習への取り組みも、お友達はたいてい集中が続きませんでした。
飽きないように短時間のプログラムをいくつも連続して提供し、着座の時間が少しでも長くなるように工夫していきました。
学習や一緒に余暇の時間を過ごす中で、先生は少しずつ活動を一緒に楽しく行う中で、それまで先生に全く興味を示さなかったお友達との関係をより良いものにしていきました。
(後編へ続きます)

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