COMPASS本部 できることの先へ(1)

火曜日のCOMPASSです。
COMPASS本部教室に昨年の6月から通ってきているのは、現在5歳の年長さんです
当初のお友達の意思表示は、大抵”クレーン”と言われる”指差し”だったといいます。
言葉を発することはできるのですが、不明瞭さもあり、理解しづらいものでした。
日常的には、ほとんど自主的な発語を聞くことがなく、言葉でのコミュニケーションは難しかったといいます。

保護者様はご相談時に「少しでも自分で出きることが増えてくれたら…。」と願われ、また「コミニュケーション能力を身につけて欲しい。」と話しておられました。
その願いを受けて作成した個別支援計画は、まずCOMPASSに通ってくることに慣れることから始まり、最初はCOMPASSで新しいお友達と安心して過ごすことができるように、情緒の安定などの様子を見守りながら支援していくこととしました。
そして、次の段階ではお友達と関わりを持ちながらコミニュケーションがとれるように支援していくことを目標に掲げました。

お友達に最適な活動、そして教材を選定します。
会話につながる活動として、まずは50音唱和でしっかりと口を開けて発声することを身につけていきます。
次に、絵カードやひらがなカードを活用して、先生と一緒にゆっくり発声し、新しい語彙や綺麗な発声に触れ、自分のものにしていくように支援します。
やがて、少しずつお友達の様子を見ながら「一筆書き」でできる文字から読み書きの練習にも取り組んでいくというものです。

お友達は日々気分にムラがあり、意欲が高い日は頑張って活動に取り組めることもあるのですが、気分が落ちているときは全く取り組みができないこともありました。
そんなときまずは運動を最初に取り入れて、心が解放されるように促してみます。
お友達は運動自体は大好きで、好んでよく体を動かしていましたが、その一方で危険認識が乏しくハラハラさせられることも多かったといいます。

ただ、運動は小集団で行われますが、お友達は集団行動が苦手で、順番やルールの意味理解が出来ず、ルールやマナーを守れません。
先生に自分勝手な行動を制止されたり、順番を守るようにと注意を受けたりするようなお友達に理解できない、また自分の思い通りにならないときは、決まって泣き始めるのだそうです。

運動と同じように、その日の気分によって活動が出来たり出来なかったりがあり、また、意欲もその日その日で違うお友達。
まずは取り組むという経験値を上げられるように、その日その日のお友達の様子を見ながら取り組めそうな教材(例えば「パズル」や「絵合わせキャップ」)といったお友達が取り組めそうな教材を準備するなど配慮していきました。

意欲的を見せる日には着座姿勢でしっかりとプリント学習も行います。
着座して取り組む机上の活動では、周囲の様子がお友達に入ってこないように配慮したのだそうです。
周りで行われている学習や遊び、教材や話し声などが気になって仕方がなくなり、自分の目の前の課題に集中できなかったり、気が散ってしまいます。
一旦それで意識が外に向かうと、もう切り替えて学習に戻ってくるまでに長い時間がかかったといいます。

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