COMPASS樟葉 今、言葉の伸び盛りに…(2)

木曜日のCOMPASSです。
COMPASS樟葉のお友達が通い始めてひと月が経ち、お友達は保育園の年少さんに進級しました。
そしてこの頃から、驚くほど頑なだった活動への姿勢や、気に入った先生への強いこだわり、そして数々のお試し行動で先生を困らせていたことも少しずつ目立たなくなってきたのだそうです。
それまでは、お友達の送迎は素直に車に乗ってくれるかどうかの緊張から始まり、事業所へ着いても決まって泣きながら抱っこを求められ、いくら促してもルーティンの手洗いなどもやろうとせず、どんな指示にも、お願いにも全く従う様子がなく、頑固な拒否が続きました。

そんな状態から泣かずに来所できるようになり、2ヶ月めには保育園へのお迎えでも泣くことはなく、そればかりか自分で靴下や靴を履いたり、素直に送迎車に乗ると、自分でシートベルトを付けようとしたりと、それまでのお友達とは全く違う様子を見せ始めています。
事業所に着いてからも、自分から靴下や靴を脱いで、それがずっとやってきた当たり前のことのように自分で下駄箱にしまったり、鞄から連絡帳を出して先生に手渡し、先生の声かけを合図にルーティンの手洗いやうがいもできるようになりました。

目を見張るような変化は、生活動作の成長ばかりではありません。
利用開始から半年過ぎた秋になると、今まであまり耳にすることのなかった新しい言葉を発する機会が増えてきました。
以前のお友達の発語は、男女の別も人か物かも関係なく、世の中の名前全部が『パパ』『ねぇね』だけ。
そんな発語と言葉の意味が一致しない2つの言葉だけでした。
一方一番触れ合う機会があったはずの『ママ』は、どういうわけか全然聞いたことがなかったのだそうです。
そんな状態から半年経つ頃になると、『ママ』は勿論のこと、『せんせい』などの言葉も発語されるようになってきました。

お友達には、聞いた言葉の語尾だけが記憶されやすいという特性があると言われていますが、言葉の語尾の復唱が以前より格段に増えたり、ドアを叩く『トントン』という音や、インターホンの『ピンポーン』という音の真似を自然にするようになってきました。
多少おふざけモードのときは、自分の脱いだ靴下を匂いで『くさっ!』と言うような、言葉と意味が一致した発語も見られるようになりました。
少しずつ成長の見られ始めた言葉と並行して、学習活動に取り組む姿勢も著しい変化を見せ始めました。
着座すること、着座する姿勢の維持、着座姿勢で落ち着いて活動に取り組む課題についても明らかに違っています。

発語できる数も増え、『ママ』『しぇんしぇ(せんせい)』など、話せる言葉の数も増えてきました。
成長を見せ始めたお友達をご覧になり、保護者様も「言葉は増え、落ち着いて過ごせるようになってきて嬉しい。」と評価されています。
あれほどCOMPASSでは抵抗ばかりだったお友達でしたが、すっかり大好きな場所になっているようで、ご家庭でCOMPASSに持っていく鞄を保護者様が用意されているときにお友達が『コン・パス』と言うことがあるということです。
COMPASSでお友達が馴染むように環境に配慮もしましたが、何より自分では意識しなくてもお友達自身が成長したいと望み、ご家庭や事業所や保育所の後押しがあったことが大きな成長への道標になっていると考えられます。

今この瞬間のこと、自分の感情ばかりしか意識になかったお友達ですが、今ではちゃんと見通しを持てるようになり、日々ニコニコと可愛い笑顔で安心して過ごせるようになっています。
お友達の言葉から会話へ続く道のりには、まだまだたくさんの家庭が必要なようです。
これからも引き続き、楽しい活動や学習課題でしっかりと語彙数を増やしていけるよう取り組みを続けます。
まだ未熟な部分も残すお友達ですので、認知が不十分な色の認識、言葉の認識、それから数の認知、また巧緻性の向上についてもお友達と一緒に楽しく取り組んで、技能向上を目指していきます。

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