COMPASS観音寺 卒業まで成長を目指して(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS観音寺には18歳・高校3年生のお友達がいます。
お友達が通い始めたのは7年前の春、そしてこの春に高校の卒業を迎えます。
お友達もCOMPASSではたくさんのことを学び、たくさんの経験、知識を得て、技能を向上し、ルールやマナーを学んできました。

日常生活を送るうえで必要な身の回りの動作は概ねできていますが、動作への苦手意識は強く、出来ることでも先生にお願いしてやってもらおうとすることがあるのだとか。
手先・指先の細かな動作が苦手なので、家や学校・外食では今も補助箸を使っていますが、普通の箸づかいの練習に積極的に取り組む姿勢は見られませんでした。

保護者様は、お友達が補助箸がないと外食が出来ないことに困り感を感じておられました。
そこで今回COMPASSには「社会に出るまでに、箸づかい・身の回りのことを自分で出来るようになってほしい。」という希望をおっしゃっていました。
そこで、お友達の最後の個別支援計画には「出来る事を増やし、自己肯定感や自信に繋げること」を目標とし、具体的には手指の巧緻性の向上や目の前の課題に集中して取り組める様になることを目指すことが盛り込まれました。

COMPASSが提供した手先・指先の巧緻性の向上のために準備した課題での教材・教具は「手指の分離運動を促す動きの反復練習」「ピンセットを用いたつまみ動作の練習」「割り箸を用いた箸の操作」「バランスクッションを用いた体幹の強化」と月例プリントなどです。
短期間での成果を期待したいところですが、お友達の負担にならないように、課題量や時間の調整には気を配りました。

昨年の5月から始めた箸づかいの練習ですが、とりわけ苦手意識が強かったので、簡単な動きから取り組み、反復して「できた!」「できる!」という感覚を大切に積み重ね、自信を育てながら次のステップへと進める様に心がけました。
箸の持ち方、運び方の練習の際には、お友達は過度に手元に神経を集中させていて、とても過敏な状態なので、課題に集中しやすいように座る位置や方向を配慮し、集中できるように周りの環境を整えることも忘れませんでした。

手指の分離運動を促す動作の反復練習では、新聞紙を右手だけで丸める練習や指を折る練習も行われ、指先を思い通りに動かすために、動かす指にシールを貼ってどの指を動かせば良いのかを視覚的に分かりやすくすることから始めました。
つまみ動作の練習では、ピンセットを使って母指・示指・中指のみの動きでデコレーションボールをつまみ、カラーシールを貼った仕切り付きのケースそれぞれの色と同じデコレーションボールをピンセットでしっかりつまんで入れ、最後まで完成させます。

箸を持ったときに上になる方を操作箸と言いますが、次のステップでは割り箸を使い、操作箸1本だけで動きをやってみます。
操作箸の箸先には、動かす操作箸を視覚的に分かりやすくするために色を付けておき、この箸を人差し指と中指で挟み、指の屈曲・伸展(=曲げ伸ばし)など、動きの反復練習です。
1本でスムーズに動かせる様になってきたら、2本の箸で練習します。
こうして5月から来所のたびに繰り返し、繰り返し、何度も、何度でも、できるまで、巧緻性向上の訓練は続き、成果となって現れ始めますが、それは3ヶ月が過ぎた8月になってからでした。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター観音寺
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    香川県観音寺市村黒町230-2
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