COMPASS中讃センター 言葉を味方にすると・・・(1)

金曜日のCOMPASSです。
中讃センターのお友達は現在6歳、通い始めてもうすぐ4年になります。
お友達の状況に保護者さまが気づかれたのは、一歳半検診のときでした。
積木を積んだり、犬を見て「わんわん」と名前を答える検査で質問に答えることが難しかったのだそうです。
再検査でも「ことばの表出が遅いですね。」と保健師さんから指摘があり、「カンガルー教室」に母子で参加してみられたこともあったのだそうです。

お友達に発語はあるのですが、言葉の表出は少なく、それも二語文程度でした。
人見知りがあり、見慣れない人から強く関わられると、目をつぶって拒否を示してしまうこともあります。
周りの人とも距離を置きがちで、その関わり方は希薄傾向にあり、気持ちが乗らないと園の行動にも参加できないこともあったそうです。
経験したことや馴染んだ環境ではさほど過敏ではないものの、馴染まないことにはひどく慎重なお友達。
場面の切り替えも苦手で、判断に時間がかかり、長いこと様子を伺うこともありました。
何かで気持ちが乱れたときの切り替えも難しく、30分ほども泣き続けることもあり、年度替わりで大きな変化があるときにも、新しい環境の把握に時間がかかり、なかなか教室に入れないことがあったそうです。

保護者様は「言葉の表出を増やし、自分で表現できるように。自分がやりたいことを我慢して、人と関わる楽しさを知ってほしい。また、お友達との距離を少しずつ自然とスムーズに縮めていってほしい。」とおっしゃっていました。
COMPASSの個別支援計画では、語彙力を高め、自分の気持ちをスムーズに伝えられるようになり、お友達と適切な距離感で関わり、人と関わることの楽しさを体験でき、集団の中で自分の気持ちだけでなく相手の気持ちも思いやり、身の回りのことが少しずつ自分でできるようになってくれるように導く活動を進めます。

まずは語彙を増やすために、本や絵カードなどでたくさんの言葉に触れたり、会話のやりとりを実践して使える語彙を増やせるように促します。
また「二語文カード」で絵を見て、文章を復唱するといった会話の練習を行いながら、助詞の使い方を習得し、スムーズに表現できるように導いていきました。
その練習の中、励ましたり、模倣する例文として話す言葉が、お友達にとって実は理解が難しいときもあり、困っていることも度々ありました。
そんなときお友達はわからないことは笑って終わらせようとしたり、泣きだすこともあったのだとか。
わからないという様子を見せたとき、先生は言葉を付け加えたり、視覚で理解しやすいよう工夫してお友達の理解を深める手助けを行いました。

また数の習得でも数字はわかるものの、比例しての数量の理解が難しい様でした。
そこで、数字を並べる作業で順番の数への認識を深めていきつつ、洗濯バサミやボタンなどのつけ外しで、手先・指先を使って付け外しをした数を数えるなど、数字の練習に導く様な流れを工夫していきました。
この付け外しがうまくできて先生に褒められたことで、達成感を味わいながら意欲的に数の学習も並行するという総合的な効果が認められる様になっていきます。
言葉でも、数でも、解決するためには地道な練習を何度も繰り返し、一つひとつ、1語ずつをしっかり習得するしかありません。

周囲のお友達と上手く関われないでいたお友達。
できるだけ先生が間を取りもち、楽しい雰囲気で同じ空間で遊んだり、遊びを共有したりできるように促しながら、仲良く関われるように取り組みました。
言葉や、数の深い理解、そしてお友達同士で楽しく関わることは、どれも習得には時間を要しました。
繰り返し、繰り返し、何度も、何度でも諦めない取り組みは続き、やがてお友達が初めて利用をした日から1年半が経過した頃になると、キラッとした成長の兆しが現れ始めます。
(後編へ続きます)

中讃地区 COMPASS児童発達支援センター
所在地:〒763-0082
    香川県丸亀市土器町東4丁目780
連絡先:0877-24-5328

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