COMPASS諫早苦手の克服のために（１） | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS諫早　苦手の克服のために（１）

2024年3月6日

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS諫早のお友達は一昨年の4月、１年生になったタイミングで通い始めました。
お友達は気持ちの切り替え、人との関わり・集団活動が苦手で、余暇の時間は迷路を書いたりと、ひとり遊びで過ごしていたそうです。

学習面では、利用開始時はひらがなもほぼ読めず、会話では「さ行」「ら行」等の特定の発語が不明瞭だったそうです。
また、保育園の頃に食べ物が喉に詰まって苦しい思いをしたことがトラウマになり、食事は一部の柔らかい食材しか食べられませんでした。

保護者様は、周りのお友達や先生の名前を覚えて、一緒に遊べるようになってほしいと望まれていました。
学習への姿勢では、離席せず、集中して先生のお話を最後まで聞けるようになってほしいと希望され、また、食べ物へのトラウマが軽減され、しっかり噛んで食べる習慣が身につき、怖がらずに食事がとれるようになってほしいと願っておられました。

個別支援計画は保護者様のご希望に寄り添って作成されました。
まず、周りのお友達に興味・関心を持ち、しっかり人の話を聞くことができ、自分の気持ちを相手に分かるように伝えられることを目指しながら、活動から活動へ、遊びから活動へと気持ちの切り替えができることを目指しながら、楽しく活動できるように促します。
そして、時間の経過とともに、COMPASSのお友達と親しく交流できるようになり、お友達と会うことを楽しみに通所できるよう導いていきます。

気持ちの切り替えが苦手なお友達、最初の頃は事業所への行き渋りや、来所してからも「今日は疲れた。」等のネガティブな発言が多く、泣いてばかりで学習に入れないことが多かったといいます。
COMPASSでは、お友達の苦手な人との交流、不明瞭な発語、そして食事の取り方などの改善を目指しますが、まずCOMPASSに慣れてリラックスして過ごすことを目指しました。
来所時にお友達に気分が落ち込んでいる様子が見られると、落ち着くまで先生と一対一で過ごすなど、まずは安心感を得られるように取り組みました。

少し来所することに慣れてきた頃から取り組んだのは発声の明瞭化です。
会話は人と人との関わりの中で交わされ、発信する側は適切な言葉を選んで伝えますが、会話にも心がこもり、やがて何気ない会話が広がりや厚みが生まれていくものです。
その言葉が「伝わっていない、伝わりづらいと思われている」と気づくと、言葉を発することへのためらいが生まれてしまいます。
余暇の時間の過ごし方も、やはり一人遊びが多く、お気に入りのおもちゃを独占して使おうとしたり、発語の不明瞭さからうまく友達とコミュニケーションが取れないこともあったので、最初の頃は先生が見守りつつ、時には仲介役として関わる必要がありました。

カードやプリントに出てくる文字をお友達が読む練習で、先生はその都度正しい発声をお手本で聞かせて、口の動きを見せながら復唱を促す訓練を何度も繰り返して取り組みました。
さらに自信を持って言葉を発することができるように、発声訓練と並行して苦手な集団活動へも誘います。
お友達にとって集団活動はやりたくない一番の活動だったようで、恥ずかしく、不安で泣きだしたり、自信がなくて先生に抱きついたりして、参加しようとしない様子が見られました。

先生は「大丈夫だよ」と励まし、まずは１回だけでも挑戦してみるようと優しく声かけを繰り返しました。
苦手な集団活動ですが、参加への促しの声かけを繰り返し、ほんの少しでも参加できたときには、先生は手放しで大喜びし、大袈裟にお友達の頑張りを褒め称えました。

食べ物をつまらせたトラウマから、最初の頃は食事を食べようとせず、泣くことが多かったのだそうです。
学校でも給食を食べられず、空腹でイライラした状態での来所も多かったそうです。
そこで、最初の頃は来所すると、まず補食を取らせ、落ち着いて過ごせるよう工夫したのだそうです。
給食のない日にはCOMPASSで昼食をとりますが、保護者様と連携して食べやすいようお弁当の具材を細かくしたり、「〇〇が入っているね。おいしそうだね。」等と声をかけながら「食事は楽しい！」と感じられるように少しでも食が進むように声かけを続けたといいます。
やがてお友達に変化が現れ、成長の兆しが見られ始めたのは、半年ほど経過した１年生の２学期ごろからだったそうです。
（後編へ続きます）

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