COMPASS小倉北 スムーズな活動を(1)

月曜日のCOMPASSです。
COMPASS小倉北に通い始めたのは、就学したての昨年4月からでした。
実はお友達はそれまで本部教室の児童発達支援に在籍していて、COMPASSのさまざまなプログラムには馴染みがあり、静かタイムや学習活動はよく知っているのですが、お友達自身にスイッチが入らないと取り組むまでに時間がかかっていたのだそうです。

着座を促してもすんなりとはいかず、自分のタイミングで座ってみるという感じでした。
着座にも慣れているはずですが、実際には座っていても立腰姿勢を保つことは難しく、姿勢が崩れそうになるたびにその都度声かけが必要でした。
就学までの取り組みで会話は出来ていましたが、伝えたい言葉がスムーズに出ずに「ごにょごにょ…」という呟きになり、相手に伝わりにくいのだそうです。
学習姿勢も興味があるなしで差があり、例えば絵本には興味がなく、後ろを向いたり、自分の好きなことをする様子が見られました。

小学生になったお友達に、保護者様は会話はできるようになったが、言葉がスムーズに出てこないので、一語一語きれいに発語できるようになってほしいと会話の上達を願っておられました。
また学校でも「お友達と仲良く遊べるようになってほしい。」という希望を話しておられました。
そこで個別支援計画では、会話や好きなことを通して、語彙力を伸ばすことを目指しながら、お友達との関わりを楽しみながら、社会性を育組むことに導き、日常生活では見通しを立てられるように導いていきます。

小学生になり、気持ちも新たにスタートしたCOMPASSですが、やるべきことは分かっていても気持ちの切り替えが難しいという傾向はなかなか改善できませんでした。
そこで少しでもルールに従って行動し、成長につながるように、壁にスケジュールを貼り、来所してすぐスケジュールを先生と一緒に確認するように促しました。
利用のたび、活動終わりごとに連れ立ってスケジュール表の前に行き「次は何をする時間?」と確認を習慣として継続していくうちに、お友達は自分からスケジュールを確認するようになり、「次は体操!」などと言いながら戸惑うことなく次の活動へ移ることが出来るようになっていきました。

学習活動全般に苦手意識があり、学習の時間になると「やりたくない!」と言って離席をしてしまうお友達。
そこで課題を何通りか準備し、お友達がその中から好きなものを選べるようにと、選択の自由を与えるようにしてみます。
ところが当初はお友達が好む「迷路」があると真っ先にそれを選択し「それしかやらない!」と譲らない姿勢を見せていました。
そこで問いかけを「今日はこれとこれをしたら、迷路ができるよ。先にどっちのプリントをする?」と工夫した聞き方に変更すると、選択するしか手段がなくなるために、苦手な課題にも少しずつ取り組むようになっていったのだそうです。

また着座や離席、取り掛かりが遅いという問題も解決を目指します。
やらないといけないということは分かっていても、スイッチが入るまでに時間がかかり、うまく切り替えられません。
どうしたら気持ちの切り替えがスムーズに出来るのかと考えに考えた先生は、言葉掛けを工夫してみます。
元々自分の座る席や順番にはこだわりがあったお友達ですが、離席が多いときには、先生がわざと聞こえるように「空いている席を見つけたから、座りたいな!」と言ってみます。
するとお友達はさっとその席に戻り、同様に課題も「楽しそうだから私がしたいなぁ!」と先生が言うと、「僕がする!」と取り組むようになったのだとか。

また、お友達は数字が得意で時計も読めます。
スムーズにスケジュールをこなせるように、事前に時計を見て「長い針が12、短い針が5になったら帰るよ。」と確認し合うことも習慣にしていきました。
帰るまでの限られた時間のうちに「何をするか」を説明しておくと、やる気スイッチが入り、積極的に活動に取り組めるようにもなってきました。
こうしてお友達との取り組みは続き、夏休みを迎える頃にはスケジュールをこなすためのしっかりした準備ができるようになってきたそうです。
(後編へ続きます)

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