木曜日のCOMPASSです。
COMPASS東彼杵のお友達は学校で学習やさまざまな活動に上手く取り組めず、登校できていませんでした。
COMPASSに通い始めてからも着座できず、離席が目立ち、走り回っていたそうです。
イラつき、物を投げたり、手を出したり、奇声を上げたりというような落ち着かない行動が目立ちます。
人と関わるときに何かをお願いしたり、謝罪したりといった言葉もなかなか出てこない状態でした。

保護者様はお友達の強いこだわりや、多動、指示の入りにくさ、他児との関わりもできないことで学校に行けない状態が改善できるようにと願っておられました。
これらの課題に対応すべく、個別支援計画では、まず継続してCOMPASSに通ってこれることや、ルールを守って楽しく過ごすことができるということから目指すことにします。
そして、COMPASSで過ごすときには、毎日で活動前に『どれくらい・何時まで等』を理解できるように促し、見通しを持って行動できること、苦手な活動にも参加できるようになることを目指しました。

なぜお友達がすぐにイラついたり、落ち着かない行動をするのか、その根本を探るためにもお友達と密にしっかりと関わっていきました。
机上の学習活動では、ひらがな、カタカナの読み書き、COMPASSのプリントでは易しい『A6』から始めますが、お友達はそのどれも失敗が怖くてなかなか熱心にできていませんでした。

着座を促しますが、取り掛かっても集中がすぐに途切れ、着座姿勢が崩れてしまいました。
そこで、巧緻性の向上、集中力向上、着座時間が延びるようにお友達が大好きな折り紙を活用しました。
また、1分半程度からではありますが、COMPASSオリジナルの「静かタイム」も毎回取り入れ、正しい姿勢で座り手を膝に置いてまっすぐ前を見てじっとしている状態を作り、短時間ですがその成功体験を毎日経験できるように導き、自信へとつながる道筋をつくりました。

日頃のお友達は明るく活発などこにでもいる小１の男の子です。
ただ日常の生活動作のスキルやルールへの理解が不足していることが原因で、お友達にはできないことや苦手だと思っていることがたくさんありました。
例えば、COMPASSのルーティンでは当たり前の来所時の挨拶、荷物の整理整頓や、学習の初めと終わりの挨拶、次の課題に移るときの片付けから次の活動に移るための切り替えも課題でした。

人と向き合うことも練習が必要で、相手の話を聞き、理解することも自分の思いが先に立ち、うまく受け入れられないようでしたので、活動前には必ず、何処で、何をするか、何時までといった行動への約束を行い、ルールについての理解を促す話を繰り返します。

度々繰り返す離席に関しては、静かタイムの後にはおやつを準備し、学習後には好きな工作を準備する等「頑張ったら楽しいことがある」状況を作り集中の継続を促しました。
思い通りにいかないとき、お友達はその場の空気を壊してしまいます。
お友達は不慣れな活動で失敗することをかなり嫌っていました。

こだわりとも言える嫌いようで、やらないと拒否をするか、失敗してイライラがマックスに。
気持ちのコントロールが出来ずにイライラして言葉が荒くなり、伝わらない悔しさや、もどかしさで気持ちのコントロールができなくなり、物を投げたり、奇声をあげて鬱憤を晴らそうとする様子が見られました。
先生はその都度正しい行動や話し方をなんとか伝えようと試みました。

発語はあり、話せるものの、その場にふさわしい言葉を使ったり、思っていることを表現できないお友達は、代わりに動きで表現しようとするのですが、うまくいきません。
先生はいつもお友達の言葉や様子から「言いたいことはこのことかな？」「あのことかな？」と想像しながら細かく確認していかなければなりませんでした。

その推察も、時間の経過とともにすぐに判断できるようになると、先生がお友達の気持ちを代弁できるようになり、お友達の方も教わった言葉で表現することで落ち着いて話ができるようになっていきました。
また、小さくても自分の力で得た成功体験や、先生と共同作業での成功体験を繰り返していくことで、失敗は学びのチャンスだと理解して怖くなくなり、上手に切り替えられるように促しを続けていきました。
（後編へ続きます）

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