COMPASS下到津 少しずつできることを(1)

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS下到津にお友達が通い始めたのは昨年の8月、小学校3年生の夏休みでした。
お友達は学習に全般的な遅れが見られ、充分な理解と意欲が伴っていませんでした。
基本的な会話は問題ありませんが、気持ちを伝えるのが苦手で、お友達が使いこなせる範囲の言葉だけでしか表現できていませんでした。
また、全身の筋力が弱いために細かい作業が苦手なようでした。

保護者様はお友達が抱えていた学校での困りごとなどへの解決を願い、COMPASSに相談されました。
実はお友達は、放課後等デイサービスなどの事業所へ通ったことがありません。
保護者様は、お友達が楽しく、刺激のある時間を過ごしてほしいと望まれ、学習面、運動面での支援をお願いしたいと話しておられました。

保護者様の願いを受け、個別支援計画の目標はコミュニケーション力の向上を目指していくことと定められました。
学習面の基礎をしっかり定着させるように促し、周りのお友達との関係性の構築を図っていきます。
さらに手先の巧緻性、全身の筋力向上、そして体幹の強化を目指していきます。

お友達の課題として提供する活動のうち、苦手な学習面については、小学校1年生の国語と算数ワークから始めます。
ワークを通して問題の解き方を理解し、問題を解く練習を繰り返すことで定着化を目指していきました。
計算練習では、問われている数字の変化をイメージしやすいように、数え棒やおはじきなどの半具体物を活用するなど、問題に取り組みやすいように制限を設けず、お友達が好むやり方で練習を進め、正答に辿り着くことはできていました。

ほどなくお友達の学習に対する苦手意識が改善され、学習への意欲が感じられるようになってきました。
ワークの易しいレベルから始めて練習問題を解いていきますが、度々途切れる集中力の持続が課題でした。
目の前の課題に最後までしっかり取り組めるよう、先生は声をかけ、集中できるよう繰り返し促さなければなりませんでした。

体幹を鍛え、全身運動による筋力の向上、手・指の細かな動作の向上を目指したトレーニングも始まります。
個別指導での運動だけでなく、集団活動での運動療育を通して周りのお友達と一緒に取り組むことで協調性を育むことを目指しました。
この集団活動では、ルールの指示理解から指示を受けてた行動ができているかということも確認していきました。

日頃のお友達は親しい一部のお友達との関りは見られていましたが、それでもお友達自身が目的があって自主的に関わることは難しいようでした。
そこで運動療育など集団活動を通してお友達同士の関りを増やしていけるよう取り組みました。
集団活動における全体への指示への反応で模倣はできていましたが、それは周りのお友達の動きに合わせているように感じられ、お友達自身が指示をしっかりと理解できているかは判断が難しいところでした。

どんな療育もお友達の意欲がとても大切です。
プリントを進め、さまざまな活動に取り組み、できた時には先生からたくさん褒められていくうちに少しずつお友達の意欲は向上していったようです。
(後編へ続きます)

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