COMPASS高松Apple 会話と心の交流を目指して(1)

木曜日のCOMPASSです。
COMPASS高松Appleにお友達が通い始めたのは昨年の7月でした。
当時年中さんだったお友達は会話の応酬ができず、聞いた言葉を繰り返す、所謂オウム返しでした。
自分から発信することもありますが、会話の流れに関係がなく、相手の反応を待たない一方的な言葉の表出が多かったそうです。
活動では着座時間は短いもので、不意な離席が度々ありました。

保護者様はお友達のオウム返しを心配しておられ、返事が意味のないオウム返しから、意味のある言葉を返せるようになって欲しいと望んでおられました。
また人との関わりでも「待つ」ことが苦手で、周りの存在を一向に気にしない関わりなので、一方的でない、人の話を聴いて心を通わせるような交流になってほしいと望んでおられました。

保護者様の願いを受け止めて作成した個別支援計画では、遊びや日常生活の中で言葉に触れ、理解できる言葉、表現できる言葉を増やすことを目指すものとなりました。
また、活動に集中できるように着座時間を延ばし、待てるようになることも大切な目標として掲げて取り組んでいきます。

オウム返し行動(=エコラリア)は、困りごとを抱えている子どもに見られるコミュニケーションの特徴の一つです。
実は、相手の言葉を繰り返すことでコミュニケーションを継続させようとしているからこその行動で、誰かが言ったことを即答でオウム返しをしてしまうのですが、本人は繰り返しの言葉やフレーズをそのまま言っているだけだと気が付いていない可能性もあるのだそうです。
会話で「嬉しい」「楽しい」といった言葉を相手から聞き、言葉が表す感情が理解できていないことが多く、その場でオウム返しをしたとしてもその言葉に意味はないこともあります。

こういったオウム返しは、子どものコミュニケーションや社交的なスキルの発達に大きく影響しています。
オウム返しは、言葉や行動を模倣することで、会話を継続させようとし、相手との関係を築こうとするためのプロセスで、社会的なルールやコミュニケーションの基本を学ぼうとする大切な行動だと考えられます。
また一方で、オウム返しができるということは言葉の「音」や「リズム」への感受性が高いことを示しているとも言えるので、そのコミュニケーションを取ろうとする行動を否定せず、他者の気持ちに共感することを学んでコミュニケーションのスキルを向上させる可能性を探っていくことが大切です。

こうして始まったお友達のCOMPASSは、絵カードの模倣から始まりました。
名称のカードだけでなく、抽象語選択や用途選択などに取り組み、徐々に説明課題へと移行していきました。
また、日常生活では、動作と声掛けを同時に取り組み、それぞれの理解を促していきました。
時折、お友達は説明の途中でも先生の話に関係のない、会話にならない言葉を挟み、一方的な聞いたことがある言葉の表出をすることがありました。
そこで、聴く姿勢がとれるように、先生が話すときには事前に『今は、聞く時間だよ。』と伝え、傾聴する態度の向上に努めました。

集中が途切れたり、離席する行動に対しては、集中しやすい手指の巧緻性訓練を通して、集中力の向上を目指していきました。先生との会話もやり取りとして成り立つように努めます。
先生が質問したときも質問を繰り返すオウム返しになることが多かったため、答えの選択肢を提示して、その中から選び、お友達が回答するといった練習を繰り返していきました。

また即座にオウム返しで回答するのではなく、どう答えていいかわからないときは「わからない」と言っていいんだよと何度も伝えて回答できるように促していきました。
そして繰り返し、繰り返し、何度も何度も会話の応酬に取り組んでいきました。
こうして取り組みが始まった昨年の7月から4カ月ほど経過した10月になると、オウム返しからの卒業の兆しが現れてきました。
(後編に続きます)

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