COMPASS大村NEXT 距離を学んで(1)

月曜日のCOMPASSです。
COMPASS大村NEXTのお友達は、今、小学校最後の夏休みを過ごしています。
昨年のお正月明けから通い始めたお友達、まず整理整頓ができませんでした。
例えばごみをそのまま放置して、次の行動に移ってゴミ捨てを忘れてしまうようなことも度々ありました。
またコミュニケーションで気持ちを言葉にして伝えることも難しいようです。
お友達は距離感が掴めずに、どんどん近づきすぎることで嫌がられることもあったのだそうです。

保護者様は「自立してちゃんと生活できるようになって欲しい。」と強く願っておられました。
人との距離ではパーソナルスペースを守れるようになり、やるべきことを確認して取り組めるようになり、身の回りのことができること、そして学習では漢字や計算の定着を望んでおられました。
そこで個別支援計画では、やるべきことの確認ができて行動できるようになることを目指します。
そして、できることを増やし、お友達とどう関わるべきか先生と一緒に考え、良い関係を築くことを目指していきます。

人と人とが関わるときに、物理的に快・不快を感じる相手との距離があります。
コミュニケーションは、お互い心地よいと感じる距離をお互いに守ることが大切です。
これをパーソナルスペースと呼び、これは個人の身体からある一定の空間で、他人に侵入されると不快に思う領域のことを指す言葉です。
悪気はなくても、一旦パーソナルスペースを侵害されると、その相手に対して感じる嫌悪感や警戒心をなかなか解けないと言われ、信頼を得られるにはかなり時間がかかります。

不快さを感じない物理的な距離は、ごく親しい関係では一般的に45cmから1.2mと言われています。
お友達の場合、この範囲より離れた位置での人との関わりを学ばなければいけません。
個人差もありますが、小学生男子の腕の平均長さは49.3~60.42cmと言われていますので、目安としてお友達と関わるときは腕を伸ばした距離を測り、その都度確認することを繰り返して自然に距離感が身につくように努めました。

学んだときはできていても、手順や、やるべきこと自体をうっかり忘れてしまうことは誰にでもあります。
お友達はずっと覚えていることが苦手で、学習面や生活面でも学んだことを忘れてしまいがちなので、何度も、何度でも、できるまで繰り返し、根気強く教えていきました。
これは日常の生活動作から、ひらがなの読み書き、算数の足し算や引き算などの基礎学習でも同様に繰り返し、繰り返しの中で少しずつ定着を目指して取り組んでいきました。

お友達は会話はできます。
ですがうまく伝わる表現が足らず、誤解されたり、思いの全てが伝わらないこともあるようでした。
そんなときは先生がどう伝えれば良かったか一緒に考えて実践してみます。
言葉の表現の練習といっても、実際には会話の相手がいるために、より良い伝え方はその都度変わります。
失敗したことを学びにして、次回そんな場面ではどうすれば良いかという練習はできても、同じ場面はなかなか来ないものです。
このため基本的な言葉の表現を練習しながら、会話の機会をたくさん作り、実践し、その都度また学んでいくしかありません。

コミュニケーションではベクトル(方向)が自分に向いたまま相手の話を聞いているようで、立場や考え方、要望も違うお互いがわかりあうために相手の心情を理解しようとしてもなかなか理解に至らないようでした。
理解できないまま会話するので、また伝わらない言葉になってしまいます。
そこで気持ちの理解ができていないときには、相手の気持ちを理解できるまで絵で説明したり、気持ちを口頭で伝えたりして、お友達が納得したうえで会話するように促していきました。
こうして繰り返しの学びを続け、10ヶ月ほど経った頃からはお友達の意識に変化が現れ始めたと言います。
(後編へ続きます)

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