COMPASSしまんと 成長の軌跡を見つめて(2)

木曜日のCOMPASSです。
小学校3年生になったCOMPASSしまんとのお友達は、今も元気に通ってきています。
通い始めの頃は発語がなく、コミュニケーションをとるのも難しかったお友達。
手先の不器用さもあり、日常生活動作もスムーズにできていませんでした。
それから6年、語彙の獲得を目指して絵カードの模倣や、絵本を読み聞かせ、ひらがなと音の一致を目指し、あいうえお表の唱和、そして就学する頃からはプリント学習にも力を入れていきました。

言葉に不明瞭さがあり、また口頭で発した言葉と書く文字が一致しないことがありましたが、先生の口元を良く見て、正しく発音し、正しい文字を綴れるように促しを続けました。
さらに、さまざまなカードで文字の音と言葉の一致を目指し、絵本の音読では、最後まで正しく読めるように短めの文章の本を選ぶように心がけ、自信につながるように促しました。
また、月例プリントや国語プリントを活用して、文章に触れる機会を増やし、文字の読み書きの練習を続けていきました。

数の認知についても数の意味や数の大きさを理解し、数の大きさや増減を理解するように導いていきました。
計算力を高められるように算数プリントなどを活用して、繰り上がりや繰り下がりの理解を促し、現在は九九や掛け算の学習に難易度もレベルアップしてきました。
最近では、学校で時計の学習で困っているとご相談があったので、これもプリントや時計カードなどの学習で理解を促しています。

そしてコミュニケーションの向上を目指した取り組みでは、自身の思いや要求が相手に正しく伝わるように練習を繰り返しました。
コミュニケーションの上達には実践が一番なので、たくさん話す機会を作りました。
特に勝ち負けがあるゲームではお友達は自分流のルールや遊びを押し付ける傾向が見られ、トランプなどルールのある遊びをするように心がけ、言葉でのやり取りやマナーやルールについて繰り返し学びの機会を作っていきました。

日常生活動作はまずCOMPASSのルーティンをマスターすることから始まりました。
お友達が特に苦戦していたのは衣服をハンガーにかけることでした。
そこで、来所のたびに実際のハンガーと上着を使って正しくハンガーにかける練習を何度も行いました。
また、体幹が弱いせいか着座して着座姿勢も崩れがちでした。

その都度正しい姿勢になるように促しますが、やはり直ぐに改善は難しかったそうです。
そこで専門的支援を取り入れて改善を試みました。
専門支援の先生がまず取り組んだのは、手元を見て活動を行うことができるようになることからでした。
手元を見ることや集中する時間を増やせるように、脳活キューブを活用し、手元を見る習慣を身に付け、日常動作につながるように促しています。
また足裏への力の入れ方を知り、バランスに維持を指導し、一本橋を渡る運動なども取り入れました。
箸づかいの練習も行い、鉛筆の持ち方もしっかりとマスターしています。

保護者様は言葉が話せるようになったことを喜ばれ、さらに語彙を増やし、もっとコミュニケーションが円滑にできるように会話の上達を願っておられます。
さらに保護者様はCOMPASSで学習面や生活面を繰り返し支援してくれているので、できることが増えたことや、途中で投げ出さず、最後までやり遂げることができるようになって嬉しいとも話しておられました。

今お友達は学校のお友達同士とも仲良く交流し、楽しく通学できています。
言葉の不明瞭さや、会話での表現の未熟さは今後も課題として上達するように、運動や学習と並行してお友達に適した課題を選択し、励ましながら、共にあらゆる課題に取り組み、大きな成長を目指していきます。

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