土曜日のCOMPASSです。
COMPASS神埼にお友達が通い始めたのは、5月の連休が明けた頃からです。
3歳のお友達は視線が合わず、あまり表情もなく、淡々とした様子を見せています。
やりたいことや興味があるものが目に入ると、まっしぐらでしたが、それ以外には関心を持つ様子は見られませんでした。
お友達は、靴を脱がずにそのまま室内に入ろうとしたり、興味のある本や玩具も好き勝手に出しては、次、次!!という状況で、片っ端から散らかし続ける状況でした。
COMPASSに着いてからの流れを教えようとするのですが、「あー!!あー!!」と甲高い声を出し、拒否の意思表示を示すかのように声を出して訴え、嫌がる様子を見せていました。
お友達と同じ時間帯で利用している周りのお友達が泣いていると、その泣き声を不愉快に感じたようで、泣いているお友達に手をあげようとすることもありました。
ルーティンの1つでもある手洗いもしようとせず、着座もできず、手をつなぐ事も嫌がり、自由に解放されて動き回りたい気持ちが先走っている感じであった。
保護者様はお友達の育児はまるでずっと赤ちゃんのままの状態なので、お友達が何を言いたいのかをあまり分かってあげられないとお悩みでした。
そして、まずは言葉が出るようになって欲しいこと、日常生活でもスプーンを持って、食事ができるようになって欲しいこと、トイレも自立して欲しいと願いを語っておられました。
保護者様の願いを受けて、個別支援計画はまずCOMPASSというお友達にとっては未知の環境に慣れてリラックスした状態で過ごせるようになることを目標にしました。
保護者様のおっしゃるように、お友達はとても幼く、社会的な知識やルール・マナーなどにも一切触れていない状態でした。
そこで、COMPASSでお友達に「ものや人に名前があるということ」「ものや人に興味が持てるようになること」「興味関心の世界が拡がるようになること」「目が合うようになること」「いろいろな遊びを楽しめるようになること」などといった新しい世界を知ることを目標に掲げました。
手付かずのお友達の世界を広げるために選択した課題は、お友達が好きな絵本を介して先生や周りの人たちとの関わりの形成を試みるものでした。
イラストの書いてあるカードや玩具などを用いて、物に名前があることや、名前そのものを知ることから始まり、数認識では数字ブロックを活用して数と数量の一致や認識を促すこと、そして、半具体物のままごとの玩具(野菜や果物など)を用いたマッチングも試みました。
誰もが願っていたのは日常生活動作でできることが増えること、指示に従って前向きな行動ができるようになること、そして同時にまだお友達の知らない楽しい日常があることなどでした。
COMPASSには来所してから学習活動が始まるまで、終わってから退所するまで、ルーティンの行動があります。
そのルーティンの習得を目指し、お友達には先生がお手本として、COMPASSに着いてからの一連の動作をやって見せ、お友達が模倣できるように、繰り返し促し続けます。
着いたら靴を脱ぐ、靴は靴箱へ戻す、帰る時は靴箱から靴を持ってくる、靴を自分で履く…その一連の動作を、来所のたびに関わる先生が変わっても同じ動作がお手本となるように統一した行動を心がけ、繰り返し行いました。
食事は手づかみだったお友達。
食事はスプーンやフォークを持ち、活用して食事をすること、対象物に目を向けられるように手を差し伸べ誘導しながら支援を続けました。
フォークを持つよう声かけをしながら動作で示したり、二人羽織ではないですが、後ろから手を添え、食べ物を「刺す」「掬う」といった動作を一緒に挑戦し、食べる意欲へとつながるよう試みました。
食べるとき、お友達は食べ物を一気に詰め込んでしまう傾向があったので、先生がペースを調整しながら自立できるよう支援していきました。
こちらで提案したものには、いわゆる目もくれないお友達ですが、興味のある絵本や玩具もありました。
その高い興味を示すものを机に並べ、着座しなければ遊べない状況を設定することで、着座を促し座る習慣を身につけられるように関わっていきました。
手洗いでは一緒に洗面台へ誘導し、手を洗ってからホールへ行くことを伝えます。
それでも他に興味を惹かれたり、飽き始めるとたちまち離席になってしまいます。
そこで先生はお友達が興味を持つ道具や遊びに共感し、様子を見ながら場の共有、新たな遊びの教示を意識して関わり、数字ブロックを並べることを楽しみ、また興味を示すもので数の認識につながるような遊びを繰り返しました。
来所してすぐ、あるいは離席して勝手に興味があるおもちゃや絵本にまっしぐらのお友達。
そんなときはおもちゃは出しっぱなし、絵本は開きっぱなしで放置でした。
お友達には片付けや玩具の扱いかたについても学びの機会が必要でした。
「一つ出したら、一つ片づける」これがお友達の新しい習慣として根付くように、散らかしたものを昼食前には片付けることを一緒に実践指定いきました。
言葉が出ないお友は達、自分の思いが伝わらないとき、やりたいことがうまくできないときなどには、苛立ちを見せ、ひどく泣きわめくことがありました。
そんな激しい癇癪のときは、場所を変え、気持ちを落ち着かせたうえで、泣いている自分の顔を見るために鏡を見に行ったり、別の遊びを提供するなどして気持ちの切り替えを試みました。
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