月曜日のCOMPASSです。
COMPASS三豊に昨年の春から通い始めたお友達。
小学校2年生の、とにかく元気な男の子です。
あれもこれも視界に入る物が全て気になる様子で、もちろん着座姿勢の維持はできませんでした。
COMPASSの中をまるで体育館のように走ったり、想いが伝わらないと乱暴な言葉や振る舞いを見せます。
押さえつけることは決していいことではありません。
でも、どうしたら自然に落ち着きが身につくのだろう?
自分と他者との距離を上手く測れないばかりか、まるで関心も示さないこともまた保護者様の悩みでした。
少しずつでもいい、自力でできることを増やしていって欲しい。
そして日常生活のオンとオフ、やっていいとき悪いときのOnとOffを身につけてほしい。
COMPASSの活動を通して、人との関わり方を身につけてくれたら・・・
保護者様のこの願いが叶えられるように、そしてお友達が誰からも愛されて楽しい毎日を送れるようにとお友達との真剣な向き合い方を考えました。
まず、お友達のプランには、基本の療育内容として着座姿勢の保持・日記を通して自分への振り返り・また学習はひらがなや数字をCOMPASSのプリント学習で行うことに。
当初、5分と座れず、椅子から立ち上がるお友達。
すかさず「ダメだよ。」と言葉による制止を受けてしまいます。
お友達自身も実は「これはいけないことなんだ。」だとわかっているものの、素直に従えません。
そんなときは「気持ちのプリント」というツールを使ってみます。
落ち着かず部屋の中を走るようなことがあれば、また「座ろうね。」と促す言先生。
お友達が何度勝手に振る舞おうとしても、優しく制止され、着座を促すという繰り返し。
やがて、時間の流れがお友達の行動を少しずつ穏やかに緩やかに変えていってくれます。
それでも時折お友達は、先生の気を引こうと、お試し行動ともいうべき行動を行ったりと抵抗を見せたりします。
10分座れるようになると、注力したのは言葉の学びです。
自分の思いを伝えることが苦手で、思うように伝わらずもどかしさを感じてはイライラ。
先生にも周りのお友達にも思いを伝えることができずに乱暴な聞き苦しい言葉を使ってしまいます。
すかさず、その場面でのお友達の気持ちを聞き、「そんな言葉じゃなくて、ただ嫌って言えばいいんだよ。」と、場面に応じた話し方を教えます。
そして素直に言えたとき、先生は笑顔で「そう!ほら言えた!すごい、よくできたね!」と褒めてくれます。
言葉のパワーはとても大きく、間違うと突き刺さることもありますが、正しく使うと何より温かく嬉しいものになってくれます。
それをしっかりお友達の心で掴んで欲しいと願い、学びを続ける毎日です。
人は、机上の学習でなく、人との関わりの中で喜びや辛さや温かさや孤独を学び、次第に成長していく生き物です。
気遣いが苦手、言葉遣いも苦手なため、他のお友達との関わりもできませんでした。
三豊では工作やクッキングなどみんなで行うイベントが多いのですが、その機会を活用して一人の時と全く質の異なる喜びを伝えていきます。
心の学習面では「気持ちのプリント」を頑張るのですが、自分で考える難しい問題になると、泣いてしまったりと、激しい感情の起伏を見せるものの、次第に成功するたびに褒められて達成感が積み重なるとともに「やればできる」ことがわかってきたようです。
イライラしなくても、荒い言葉を吐かなくても大丈夫なんだ・・・そう、お友達の姿が物語っているようです。
着座して30分、プリントを集中できるようになったお友達がここにいます。
室内を勝手に走ることもなくなり、実はマイブームもやはり座って行う「折り紙」なのだとか。
お友達の手からは、風船、カメラ、箱、時計など、たくさんの折り紙の作品が次々生まれています。
あれほど人との関わりが苦手だったお友達ですが、折り紙を周りのお友達からも褒められると「教えてあげる。」と、ニコニコで他のお友達に教えてもいるのだそうです。
嫌なことも乱暴な言葉を吐くのではなく「◯◯ちゃん、それやめてよ。」と言葉で伝えられるようになりました。
激しい感情はすっかり影を潜め、ムラなく穏やかに過ごせるようになってきています。
穏やかに、にこやかに、そしてみんなで楽しく・・・
もう、大丈夫、きっと大丈夫。
その先の未来図をこれからの頑張りで折り上げてくれる、そう予感から確信へ変わってきた2年目の冬です。
COMPASS発達支援センター三豊
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