木曜日のCOMPASSです。
昨年の梅雨の頃、お友達は初めてCOMPASSにやってきました。
物音や大きな声に過敏に反応することがあるというお友達。
誰かと一緒に何かをすることや、予定通りに動くことも苦手、自分の時間軸や行動範囲を外れると苛立ちを見せ、一つのことに集中できず、善悪の判断が曖昧、場面に合った言葉選びが難しく、スムーズな会話ができません。
また危険への認知が浅く、危なっかしい行動も気がかりだと保護者様は心配しておられました。
小学校4年生のお友達、まずは学習態度を身につけ集中でき、同年代のお友達や大人との関わり方を学び、スケジュールに沿った行動ができるように導くことを目標とする個別支援計画が立てられました。
そこで課題は現在学校でしている学習の復習、かけ算九九や国語や算数の文章問題を読み解く学習を選択します。
ですが、やはり学習に集中できず離席が多く、何度も繰り返し声をかけたり、時には手を引いて机に戻すことになります。
課題の始めにカードに書かれた開始時間から終了までのスケジュールを示すのですが、その通りに動けません。
COMPASSはこの頃のお友達にとってきっと制約の多い居心地が悪い場所だったことでしょう。
嫌なことがあればすぐに泣き叫んだり、他害行動に出たり、また学習中であってもオモチャの方向へ走り出したり・・・。
周りの同世代のお友達と遊びたい気持ちはあるようですが、振る舞い方を知らず、お互いに嫌な気持ちで遊びが終わってしまいます。
そこで先生はお友達と関わる前に必ず「仲良く過ごします。良くないことをしたらごめんなさい、何かしてもらったらありがとうを言います。」と一緒に約束をして意識して関わるように促していきました。
それでもトラブルが発声することがあり、お友達が理解しやすい視覚でわかるもので説明をしたり、一つひとつの行動に対して良し悪しを伝え、時には別の場所でクールダウンさせることも度々行われました。
繰り返す学びで見せる成長は、陽射しを受けてグングンと茎を伸ばすような目に見える変化を示すことはまずありません。
素直に聞き入れる日もあれば、次の日には初めの日に戻ったような様子を見せたりします。
笑顔の日もあれば、終日機嫌が悪いこともあります。
それでも夏が来て、秋になり、冬になる頃にはお友達は随分落ち着いた様子を見せるようになってきました。
スケジュール提示だけではまだ曖昧なようで予定通りに動けなかったお友達ですが、時計とタイマーを使って開始時間と終了時間を明確にしたことでスムーズな動きになり、集中でき始め、離席が減っていきました。
日々の学習の始めには、1度できたことのあるプリントを復習として出すように試みると、瞳を輝かせ「出来る!」という達成感を何度も経験できたことで自信に繋がり、意欲に結びついていきました。
一人ひとり違う心の形。
言葉や行動、色々な方法で何度も繰り返すうちに少しずつ学びのカケラが形の通りに収まりを見せていくのでしょう。
お友達の場合も初めは抵抗だらけでしたが、次第に納得し、腑に落ちたことには変化や指示を受け入れることができるようになりました。
特にお友達同士の関わり合いで、事前に意識づけの声掛けを繰り返していった結果、集団活動で好ましくない行動が出現しても、ひとこと促すだけで素直に受け入れてくれるようになってきました。
最近では、周りのお友達と仲良く遊ぶ光景や物の貸し借りができるようになってきているといいます。
ご家庭でも同様にスケジュールに沿った行動ができるようになり、 学習に集中する時間が増え「プリント、どこするの?」と自分から言うようになってきたと保護者様も喜ばれていました。
春には5年生になるお友達。
じっくり考えることを伸ばす意味でも文章問題などで学習力の向上を目指し、一人でスケジュール管理が出来るようになること、そして、考えて場にあった正しい言葉遣いが出来ることを目指しながら、笑顔で通ってくるようになったお友達と初めての春に向かっていきます。
COMPASS発達支援センター吉富
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