COMPASS.Jr 地震想定の避難訓練

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS.Jrでは、地震想定の避難訓練が行われました。
今回はお友達10人、先生が5人での訓練でした。

まずPCで緊急地震速報の音声を流し、地震で揺れを感じた想定で、まず机の下に潜るよう指示を出します。
全員で防災頭巾を被って人数確認をした上で外へ避難する流れを確認。
まずPCの音を確認して、お友達と教室内の安全確認(出入口、火の元、落下物等)を行います。
同時に先生は出入口を開け放って通路を確保し、教室外の避難経路の確認。

お友達は「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」安全な場所へ移動するか、机の下に潜って対角線に机の脚を掴み、身を守ります。
このとき、自力で避難できないお友達がいた場合は、避難準備にも気を配る必要があります。

外に大型の車が停まっていたため、もしも急に車が動き出し、背の低いお友達が巻き込まれたら…など想像できる危険を回避して外への避難を取りやめ、絵本スペースへ集まってお話・紙芝居で防災学習をすることにしました。

お話は、過去の地震のことから始まりました。
記憶に残る10年前の3月11日に起きた東北地方を中心に12都道府県で2万2000人余りの死者・行方不明者が発生した東日本大震災が、また九州では平成17年の3月20日に起きた福岡西方沖地震、そして平成28年の熊本地震では多くの死者や負傷者、そして家屋が被災しました。
今年に入っても、既に2月には福島県沖地震で震度6、熊本で震度4、そして紀伊半島でも震度4上の地震が起きています。

実は北九州には「小倉東断層」と「福智山断層帯」という2つの断層帯(合わせて福智山断層帯と呼ばれています。)が通っています。
想定されている地域に影響のある地震では「南海トラフの巨大地震」が懸念され、国の検討会が取りまとめた報告では最大でマグニチュード9.1の地震発生の場合、市内で最大で震度5弱から5強の揺れが想定されているのだそうです。

さて、実際のニュースで伝えられる地震情報についても知らないお友達が多く、危険を身近に感じてもらえない現実があります。
そして更に、Jr.のある北九州市では過去にも震度3以上の地震はほとんど経験がありません。
防災頭巾も使ったことのない子が多く、今回を良い機会と捉え、防災頭巾の被り方、なぜ頭巾で頭を守ることが大切かを学ぶ機会となりました。
もちろん大きな声で話さない、マスクを外さない、くっつかないというコロナ禍でのお約束も当たり前です。

お友達の中には、目を見て話せないお友達、パニックになってしまうお友達、単独歩行が難しいお友達、指示がわからず行動が遅れてしまうお友達がたくさんいるので、非常時のことにも配慮し、先生の配置人数にも厳しい国の基準が設けられています。
今回参加した中にも、目を見て聞くことができず、反応がわかりづらい特性があるお友達がいたそうです。
しかし先生が話す地震の恐ろしさや、紙芝居を通して伝える地震の正体について、このお友達は先生に顔を向けることはなかったのですが、静かに耳を傾けて熱心に聞いている様子を見せていたと言います。

今回、訓練をやってみて、改めて基本の大切さを考えさせられたといいます。
色々な特性のあるお友達とともに安全に逃げることがいかに難しいことであるか。
部屋の構造、玄関や靴箱の配置等から導線を事前に考えることがいかに重要か。
テーブルや椅子、壁など、避難する際に障害物となるものがいかに多いか。

震度4以上になると、個人差はあるものの、ほとんどの人が揺れを感じ、驚き、目を覚ますと言われます。
電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立て、座りの悪い置物は倒れることがあり、電線が大きく揺れます。
南海トラフ沖地震で想定通りの震度5「弱」以上になると、大半の人が恐怖を覚え物につかまりたいと感じ、電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ち、置物の大半が倒れ、固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れるとされています。
更に1段階上の震度5「強」になれば、大半の人が、物につかまらないと歩けなくなり、行動に支障を感じ、棚から物が落ち、固定していない家具が倒れ、窓ガラスが割れ、ブロック塀が倒壊するなどが想定されています。

そんな大きな震度が起きたとき、お友達のみならず先生たち自身も平常心でいられるだろうか?
特に特性のあるお友達のパニックは想像に難くなく、それを考慮したパターン化しない避難訓練の必要性を感じました。
備蓄や防災頭巾、避難バックなどのモノは完璧に準備してあるものの、大地震が起こる時間帯によっては避難を誘導する側の先生にも、誘導される側のお友達も、常時万全な避難状況を作るのは難しいということを見越して、だからこそ訓練を継続することが必要だと思います。

写真はイメージです。

「そのとき」のために、日頃から最悪の状態での安全な避難をシュミレーションしていき、何度も経験による習熟度を積み上げていくようこれからも避難訓練を継続していきます。

COMPASS Jr
所在地:〒800-0251
    北九州市小倉南区葛原1丁目3−5
連絡先:093-472-3288

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