COMPASS熊本ずっと笑顔で成長を | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS熊本　ずっと笑顔で成長を

2021年6月18日

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS熊本に通い始めて約1年、お友達はこの春年長さんになりました。
昨年の梅雨時期、保護者様がご心配され、悩まれていたお友達の様子は「集中力がないこと、指示が通らないこと、「さ」行が「しゃ・し・しゅ・しぇ・しょ」になってしまうなど発語の不明瞭さ、人との関わりがうまくいかないこと」だったそうです。

保護者様のご希望が反映された「個別支援計画」は次のようなものになりました。
言葉については、意味を理解できる語彙を増やし、気持ちを言葉で伝えられるようになること。
コミュニケーションの向上を目指し、お友達と一緒に並んで着座して取り組む時間や、集団活動に楽しく参加できる時間を増やしていくこと。
社会性の向上には「待つこと」など、ルール・約束ごとを理解して、場面に応じた挨拶や言動ができるようになること。

利用開始当時のお友達は、提示された課題に取り組んでいる最中でも周りのお友達のことばかりが気になって仕方ありません。
先生やお友達の持ち物や身に着けているものを目敏く見つけると、「これ、なあに？　これ、誰の？」と聞いたり触ったりが始まります。

「モノへのこだわり」がとても強い傾向があり、帰る時間になっても教材やおもちゃを強く掴んで離そうとせず、やっと手離しても、がっくりと肩を落としたまま退所して行くお友達の姿が良く見られました。
何か思い通りにならないことがあったら気持ちが切り替えできず課題の途中でも「もうしない！!」と強い口調で拒否。
その感情にこだわっていつまでも先に進めないこともありました。
またCOMPASSの玄関先で「行かない！」と言い出し始めると、いつまでも入室できないことも度々あったと言います。

気持ちの切り替えができないままだと、この先の人生でお友達の大きな枷となってしまう困りごとです。
入室できないときは「ちょっとだけ頑張ろうか？」とお友達の心に刺さる言葉をかけてみると、それまで絶対入ろうとしなかったお友達は「いっぱい頑張る！！」と言って入室してくれました。
さらに切り替えられるよう、課題に入る前に「始まりと終わりについてしっかりお約束をする。」ことから取り組みを始めました。
毎日必ず「これが終わったら、次はこれをやる。」という予定の確認や「タイマーが鳴ったらおしまい。」といったルールを確認してからその日の課題をスタートすることにしました。

語彙力の不足もあり、自分の想いが伝えられないでいたお友達。
「〇〇がしたいの？」「これはやりたくなかったの？」「〇〇って言われたのが嫌だったのかな？」など、選択肢を選び気持ちを表現する練習を行います。
それが更に円滑な会話となるよう先生がその都度言葉を教え、伝え方を教え、お手本を示し、お友達の口から滑らかな言葉となるまで何度も練習をしました。

お友達同士の関わりの場面を設定して先生とお友達はロールプレイングも沢山行いました。
「かして」「どうぞ」「あとで」「一緒に遊ぼう」や「やめてください」など、人と関わる際に多用される言葉の多くを場面を設定して繰り返し行います。
きっとこれで承諾なしに人の持ち物を触るようなことはなくなって行くはずです。

やがて半年が経った頃、あれだけ頑なだったお友達のこだわりは、少しほぐれてきました。
日々過ごす中で過ごし方も心得てきたお友達。
指示を理解して、指示に素直に従えることが増えました。

まだ気持ちの切り替えは難しいこともあるものの、気分の乱れや落ち込みは減り、例え落ち込んだとしても、優しく言葉で諭すと次の行動に移ることができるようになりました。
思うまま動きたいお友達ですが、この頃からは「待つこと」ができるようになり、お友達同士の関わりでも自発的に「かして」「どうぞ」などの言葉でコミュニケーションを図る姿が見られるようになりました。

最初の頃に比べると集中力も向上し、特に情緒面の成長は著しく、まだ声かけは必要な場面もあるものの大きな成長を遂げています。
帰る時間になっても「今日はもっと頑張りたかった・・・。」と名残惜しそうな発言がよく聞かれるようになり、意欲の向上も目覚ましいものがあります。

春、お友達は年長さんになりました。
残念ではありますが、お友達はお引越しのため5月いっぱいで退所することになりました。。
保護者様もCOMPASSで娘がどれだけ成長が見られたか、高く評価をされ、成長の喜びを実感されているとのことです。

新しい園でも引き続き人との関わり方・気持ちの切り替え方などが円滑にできるように、保護者様にこれまでの出来事や継続している取り組みを十分にお伝えしました。
「COMPASSで培ってきたことを活かして、新しい場所でも頑張ります。」
今お友達の瞳は穏やかに景色を映し、確かな未来へを見つめています。
これからもずっと笑顔で成長して欲しいと願い、穏やかな後ろ姿を見送ったのでした。