COMPASS熊本 「できる」「わかる」「知っている」

COMPASS熊本に通い始めて3年になるお友達は、この春3年生になりました。
利用当初は幼稚園のお友達は、語彙数や会話のスキルが不十分で思いを伝えられません。
手先が不器用で集中力がなく、何でも途中で諦めてしまうことが多かったそうです。

個別支援計画では相手の顔や目を見て話の内容を理解し、答えられるようになることが記載されます。
その場面に応じた挨拶の「こんにちは」「ありがとう」や、自己紹介が出来るようになることや、ひらがな表の文字を読めるようになることを始めとして語彙力の増加を目指すというものです。
お友達のために選択した課題は巧緻性の向上を目指した「スナップボタンの付け外し」語彙の増加を目指した「絵カード」「あいうえお表唱和」「絵本読み聞かせ」「ひらがな五十音の読み書き」などです。
スムーズな会話のために先生とのお話をする機会もたくさん作ります。

課題に取り組んでいる最中でも周囲のお友達の活動や声が気になり、活動中に手が止まったり、キョロキョロと周りが気になる様子です。
自分から発信すること、例えば自分の興味・関心がある対象はしっかりと覚えているのですが、先生からの指示は忘れてしまいます。
お友達から先生にそれが何だったか尋ねたとしても内容をすぐに忘れ、何度も聞き返すことが多かったと言います。
先生が逆に聞いても返答が面倒なのか、すぐに「わからない」と諦めてしまいます。

そこで先生は活動を始める前にお約束をすることにしました。
事前に今日の活動で今日の予定を話し合い、何をどうするのかと一緒に考えて約束をした上で、それを紙に書いて机に置いておきます。
周りが気になり始めると気が逸れるため、パーテーションで空間を仕切ってみます。
集中できる環境の中で行う記憶の訓練。
そこで幼稚園での出来事を振り返ってもらうのですが、すぐに「わからない。」と答えてしまうお友達。
先生は、今日の出来事を思い出すことに繋がるヒントを少しずつ提示し、何とか思い出せるように促していきます。

集中力が切れる様子が見られると「自分で作ったスケジュールは頑張りましょう。」と何度となく声をかけ続けたといいます。
振り返りが苦手なので「絵本の読み聞かせ」などでも今読んだ絵本の内容を言ってもらうような活動も行います。
どうしても思い出せないときはヒントを与えながら一緒に考えたり、文字の練習と並行して日記を一緒に考えながら書くという練習も行いました。

これまでお友達にとって「わからない」「覚えていない」で済ませられていたことが、どうやらCOMPASSでは諦めてくれそうにないようです。
その一方で、最後までがんばれたり、少しでも質問に回答できたり、その日やると決めたことをできたときはとても褒めてもらえるので、気分はもう最高!
この誉める、励ます、注意を引くなどの声かけは、正の強化と言われ大変効果的なものです。
変化は必ず訪れると信じて、来所後の挨拶、片付け、着座、学習というルーティンを繰り返し、約束し、投げだせば促し、引き戻し、できたら手放しで褒める…を継続していきながら、1年が過ぎた頃、次第に変化は訪れます。

来所するとお友達の「おはようございます」「こんにちは!」と、元気な挨拶の声が響くようになりました。
学習では文章を読み解くことはまだ苦手ようですが、ノリノリとはいかなくても嫌がらずに頑張れるようになりました。
何と言っても最後まで頑張れることが増えてきて、集中力は素晴らしく成長しています。
苦手なものにもチャレンジしようという意欲の芽生えが見られ、身の周りのことにも気を配れるようになってきて、道具の持ち帰り忘れも少なくなってきたのだそうです。

継続した取り組みは現在もなお続いています。
言葉の学びも、文字も興味を持ってこその定着であり、常に答えはお友達自身の中にあります。
お友達の原動力は「できた!」という感動に他なりません。
そして「できる」「わかる」「知っている」の連続した経験が積み重なり、更なる集中力・自信・意欲を引き出していければと願っています。
周りのお友達との交流や集団活動を通じて、周囲との協調やコミュニケーション、ルールやマナーなどの約束事が定着するように導き、また社会性に向けて周りの人への理解を示し、協調性も育てていけるようにと願い、これからも幅広い取り組みを続けていきます。

COMPASS発達支援センター熊本
所在地:〒861-8074
    熊本市北区清水本町22番34号
連絡先:096-342-4458

(事業所名をクリックして頂くと事業所案内ページへ。電話番号のクリックで電話がつながります。)

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