COMPASS大村 相手に合わせた距離と言葉

火曜日のCOMPASSです。
COMPASS大村に春から通い始めた16歳のお友達。
とても優しいお友達なのですが、人との距離感が近過ぎて敬遠されがちなのだそうです。
対話についても正しい言葉遣いやその場に即して振る舞うこと、的確な回答をすることも苦手です。

卒業を見越して、そろそろ社会人への準備が必要になってくるこの時期。
人には「パーソナルスペース」があって、相手が許さない限りそこには踏み込んではいけないことを学ぶことがお友達の課題です。
個別支援計画には、この人との距離感の習得と、正しい言葉遣いを学ことが設定されました。

親密さや信頼していることの表現、またボディランゲージは人それぞれです。
親しくなっていくと自然にお互い気にならない距離感が見えてくるのですが、お友達は、初対面でもぐいぐい近寄っていきます。
それだけでなく、時に気を許していない相手に必要以上のボディタッチをする様子が見られました。
発音が不明瞭で聞き取りにくい部分があり、また、先生に対しても敬語が使えずタメ口だったそうです。

いきなりの距離の近さは、相手を不愉快させてしまうので、その都度何度も声かけして距離を保つよう促し続けました。
不明瞭な発音には、ゆっくり・はっきり先生がお手本の発音を聞かせ、模倣を繰り返してもらいました。
また音読を行い、正しく読んで発音する練習を利用日に毎回取り入れました。

正しい言葉遣いができるように、相手に応じた言葉づかいをできるように、目上の人には敬語を使うなど、お手本を示しながら都度声かけを行いました。
先生から指摘されたり、指示があってもお友達は「でも」「だって」などを言いがちでした。

これに対し、先生は強制することなく1:1で根気よく対話し、お友達が正しいことを心で選択し、受け入れられるように導いていきました。
ただ16年これでやってきたお友達にとってもう生活の一部で習慣になっていることを変えることは簡単ではありませんでした。

利用開始から1年半後が経ち、今年の夏休みが終わった頃のことです。
話している途中で、距離が近いと自分でハッと気づいて距離を取る姿を見せているお友達。
「あ、今近かったね」と言って離れることができるようになり、他のお友達に対しても「近いよ」と注意ができるようになっています。
先生の指摘や指示にも、話を遮ったり反論することもなく、しっかり最後まで聞くことができるようになりました。
積み重ねてきた経験がはっきり成果として形になった、お友達の新しい習慣の始まりです。

まだまだ学ぶべきコミュニケーションのスキルは山ほどあります。
言葉遣いやその場に応じた態度をしっかり身につけて、本来ある真面目さと優しさにこれらのコミュニケーションの要素が加われば、就業に向けて大きな力となってくれるに違いありません。
しっかり学び、身につけて、誰からも愛される素敵な社会人になってほしいと願い、支援を続けます。

COMPASS発達支援センター大村
所在地:〒856-0832 
    長崎県大村市本町259-1-2F
連絡先:0957-54-3288

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