火曜日のCOMPASSです。
COMPASS吉富に通うお友達は、通い始めて6年目の冬を迎えています。
当時小学2年生だったお友達ですが、危険に対する認知が低く、その危ない行動をハラハラしながら見守っていた保護者様。
落ち着いて話を聞くことが苦手で、理解しないまま何度も同じ間違いを繰り返していたのだそうです。
保護者様は危険を察知して回避できるようになり、また日常動作や習慣が身につき身辺自立に繋がって欲しいと強く願っておられ、この願いを受けた個別支援計画は、まず話を聞くという習慣づけ、そして将来への長期目標は身辺自立を目指すものとなりました。
「聞く」ことは人の話に集中し、理解するための重要なスキルですが実は高度な集中と根気を必要とします。
「聞く力」を身につけることで、例えば学習では「しっかり聞く」「わかった!」「楽しい!」「もっと知りたい!」「(再び)聞く」という学びの好循環が生まれるといいます。
子ども時代が聞く力を育てるには最適だとされますが、それは音を「聞き取る力」は大人より子どもの方がはるかに優れており、それは成長とともに失われていくからです。
幼い時期にその力を育てれば、耳からの情報を取り入れ、脳内ですぐに活用できるよう変換し続けて、さらに習得が進みます。
聞く力が育てば沢山の効能が期待できます。
落ち着いて相手の話を聞くことができる様になれば、同時に集中力が養われます。
相手の話の途中で口を挟んだり、無視したりせずにしっかりと耳を傾ける姿勢は、我慢強さも身につけることになります。
更に幼い子ども時代は自分の気持ちをわかってもらいたいという欲求が何より強く、逆に相手の気持ちや立場を察することは苦手ですが、話を聞く習慣を身につけることで、最終的には表面の言葉だけでなく深い部分で相手の気持ちを理解する共感力までも養えるようになっていきます。
聞く力を養うためにも必要になってくるのが文章を作る力。
この課題をクリアするために活用されたのが「COMPASSの日記」です。
お友達はその中から「出来事日記」を毎日書くことで、内容を短文にまとめて伝えることを学び、文章の書き方を覚えられるように導きます。
苦手なことはザッと済ませたいお友達。
その個性がマイナスに働かないよう、毎回同じテーマを選ぶことなく違う内容となるよう先生がお友達にインタビューしながら、内容が重複せず常に新しいテーマで出来事を書けるように促していきました。
ひらがなばかりでなく、漢字やカタカナを混ぜて作り、自分の思いを言葉で表せる言葉を選び、文章の順序を考えて、より伝わる文章へと磨きをかけていったそうです。
数の学習では掛け算の九九、とりわけ苦手な6.7.8の段を頑張りました。
九九は単純に暗記ですが、そらで唱えるのと並行してプリントでも学習を繰り返しました。
素直に学習に取り組む姿勢が見られ、時間の経過とともにスラスラ回答できる様になってくると次第に他の学習も意欲的に取り組める様になってきました。
ところが、お友達は苦手な文章問題や漢字練習などは後回しにしたり、簡単な漢字ばかりを書き写したりする傾向もありました。
わからない問題があっても素直に質問できず、ただ声をかけられるのを待っていることが多かったといいます。
そこで苦手な文章題の読み取りは、ゆっくりと声に出して読むように促してみると、少しずつ内容を理解できる様になっていきました。
苦手を遠ざけるのではなく、漢字練習は漢字表を使いながら、漢字の意味や音・訓読みを知ることで楽しく書く様に工夫していきました。
「分からないことを質問することも、とっても大切なんだよ。」と繰り返し伝え、聞くことをためらわないように促しました。
顕著な変化は昨年9月ごろに見られました。
学習面ではかけ算九九を全部マスターし、わり算に挑戦し始めています。
継続した日記で、漢字やカタカナを使った短文も書けるようになってきました。
苦手な文章の読みも音読練習を続け、ちょっと早口になって引っかかりながらですが、嫌がらずに上手に音読できています。
先生の話をしっかり聞ける様になり、ためらうことなくお友達からも質問や自分の思いを伝えられるようになってきました。
自分の身の回りのことにも積極的に取り組めるようになり、自信がつき次の課題へと取り組む意欲を見せる様になっています。
昨年の夏休み中に、かけ算の九九を全部覚えて400問のランダム問題に全問正解出来たことを保護者様にお伝えすると、大変喜んでおられました。
ひらがなばかりで書いていた日記も、練習を続け漢字やカタカナを使って書き、主語と述語だけだった内容も、誰と何をしてどうだったと感想も書けるようになってきたことを喜ばれ「くり返し続けていくことが、本当に大切ですね。」とおっしゃっていたそうです。
諦めない姿勢、何度も繰り返し、何度でも取り組むことは、やはり何より成長に欠かせません。
話を聞き、その指示を理解した行動ができる様になり、集中して取り組める様になったお友達の自信に満ちた笑顔は最高です。
これからも将来の就労や自立を目指して、お友自身でできることを増やし、基本的生活動作はもちろん、自発的な発言や円滑なコミュニケーションを願い、豊かな未来を過ごしていけるよう支援していきます。
COMPASS発達支援センター吉富
所在地:〒871-0811
福岡県築上郡吉富町広津550-1
連絡先:0979-23-0817
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