木曜日のCOMPASSです。
COMPASS新下関駅前のお友達は小学校1年生、昨年の夏から通っています。
発語はありますが、言われたことの理解が不十分、滑舌も悪く、自分の思いが伝わりづらいようでした。
自分なりの正義感を周りにも強要する傾向があり、それが通らないと強い口調で責めてしまいます。
そうかと思えば、皆で取り組んでいる静かタイムや療育中に体を動かしたり、わざと椅子を倒して音を出したり、歌を歌って邪魔をします。
そんな態度で訴えても想いが伝わらないときには癇癪を起こし、その場に寝転んで大泣きするしか手立てがないといった様子でした。
保護者様も「たくさんの言葉を学んで滑らかに言葉で表現できるようになってほしい。」そして「友達を作って人との関わりを学んでほしい。」と願っておられました。
利用開始はお友達にとって初めての夏休み。
家にいたら遊べるのにと思ったのか、お友達はCOMPASSが大っ嫌いだったようです。
登所を嫌がり、なかなか療育に入れません。
でも皆が楽しそうにやっている遊びには興味があり、スケジュールの初めにまずは体を動かす遊びや、屋外での砂遊びなど戸外活動で遊んでから、皆で遊びをやめ、その流れで机へ誘導するように工夫したそうです。
その流れが功を奏したようで、次第に療育への促しがスムーズになっていきました。
やりたくない静かタイムや学習課題をやっているとき、すぐに姿勢を崩し、体を動かしたり、歌を歌ったりし始めるのですが、先生は静かに「これは、今やってはいけないこと」だと何度も何度でも理解して、皆の邪魔をしているのだと気づくまで、根気強く声掛けをし続けました。
語彙を育て、滑舌を良くするために特に取り組んだのは「絵本」です。
皆大好きな絵本ですが、絵本は語られるお話から、色や、音や、匂いや、未来を想像しながらドキドキしたり、ハラハラしたりと見知らぬ世界へ連れていってくれます。
お友達の場合、ワクワクの絵本の盛り上がるシーンから少し長めの文章を選び、一緒に読み合わせて1音ずつをはっきりと、滑らかに誰かに聞かせるように発声していきました。
課題には50音の唱和も取り入れ、お友達が発音しにくい音を探して繰り返し練習していきました。
1音うまく言えると褒め、失敗してももう一回やろうと何度もトライし、最後には必ず褒めてくれる学習は、少しずつお友達を笑顔にしていきました。
夏休みにはたくさんのイベントも用意されています。
その中で季節の行事などを通して自然に交流ができるように導き、一緒に遊ぶ機会を作り、友達との関わりを増やしていきました。
当たり前のように交流ができるようになってくると、次第にあれほど嫌がっていたCOMPASSへ来ることも気にならなくなっていったお友達です。
夏休みが終わり、冬の初めの11月になった頃でしょうか。
崩れがちだった着座姿勢には著しく改善が見られ、声かけだけで正しい姿勢に戻ることができています。
言い分が通らなくて泣き叫ぶような癇癪を起こす姿はみられなくなっていました。
語彙も増え、舌がもつれて言えなかった50音の苦手な言葉がスムーズに言えるようになってきました。
正義感から強い口調で周りに要求していたことも、優しい言葉で話してあげられるようになってきています。
保護者様からも「家でも会話がしっかりできるようになり、嬉しいです。」と喜びのコメントをいただき、COMPASSでも一斉に出す指示の理解が難しかったお友達が、今では問題なくしっかり話を聞くことができ、学校での出来事など楽しそうに教えてくれているのだそうです。
もうすぐ進学の時期、お友達は2年生になります。
お友達同士の関わりが楽しくなってきた今、ただおしゃべりするだけでなく、相手の気持ちを汲み取りながら自分の行動を考えるような機会を作り、より深く考えられるように、もっと深い言葉を使ってさらに思いを伝えられるように導いていきたいと願っています。
最近のお友達は漢字にも興味が広がっていて、どんどん吸収しているのだそうです。
この機会を捉え、これからは話すだけでなく、文章を作り、書く力の向上を目指し、新しい課題として日記を取り入れ、総合的な力を伸ばし、自信を持って取り組めるように導いていきます。
COMPASS・新下関駅前
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