COMPASS丸亀Link 卒業までに・・・ | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS丸亀Link　卒業までに・・・

2022年1月13日

木曜日のCOMPASSです。
COMPASS丸亀LINKに通うお友達、春には高校年生になります。
COMPASSに通い始めたのは2019年からで、今年の春には4年目に入ります。

当時のお友達は着座姿勢が保てず、周りの音が気になって集中できませんでした。
学習や作業中に取り組んでいても、何かにとらわれてしまい、手が止まることが多かったので頻繁に声掛けが必要だったと言います。
人との関係も手放しで良好とは言えず、相手の様子にお構いなく一方的なおしゃべりが続き、相手の話を聞こうとしませんでした。
モノの扱いが乱暴で、壊したり汚してしまう傾向が強かったそうです。

そんなお友達への保護者様の願いの一番最初に望んでおられたのは「お友達とのコミュニケーションがとれるようになること。」でした。
そして、ひとりで買い物に行けるようお金の計算や時計の理解ができるようになってほしい、こだわりのある行動が減少してほしいと希望しておられました。

COMPASSではお友達の支援計画は、当時から卒業後を見据えた計画を立てていました。
社会に出て困らないように他者との距離の保ち方、場面に合った言動など、ソーシャルスキルを身につけること。
そして身の回りの清潔や整理整頓など基本的生活習慣を身につけ、更にお金の計算、時間の理解ができるようになること。
これらの課題が改善し、または解消するようにと願い、活動が始まりました。

ここ丸亀Linkには花壇があります。
その環境を活用して花や野菜のお世話をお願いすることにしました。
人との距離感は座学では学べないのでグループワークを活用して関わりの機会を設けました。
お金の種類を覚え、金額を読めるようになり、自分のお金との比較検討、合計の計算、やりとり、支払い、お釣りの計算などの買い物シュミレーションは生活に関わる課題なので頻繁に取り入れます。
時計を読み、将来の就労へ向けた手指作業（種類分け、束にする、袋詰め）なども取り入れたり、文字を覚え、文字の美しさの改善、そして伝える力を伸ばすためにも短い日記などを正しく書くことなども取り入れていきました。

お友達の困りごとは学んだその時にはしっかりできていても、時間が経つと学習したことを忘れてしまう傾向があったことでした。
そこで記憶の定着や維持のために、絶えず繰り返すことに力を入れました。
つい先日まではできていたことが、時にできなくなったり、不安定であっても大丈夫と励ましながら声をかけ、自信に繋がるように、繰り返していきました。
繰り返し何度も何度でも・・・
そして年半が経った頃、まずは成長は文字から現れ始めました。
文字、特に漢字を丁寧に書こうという意識が現れ、変化が見られるようになり、「警察」「お金」など日常生活に必要な漢字も自分で読めるようになりました。

お買い物のシュミレーションで何度も練習した成果が上がり、電卓で上手に計算できるようになりました。
何度も声をかけることで言葉遣いや態度の子供っぽさも改善しつつあるのだそうです。
COMPASSのお友達とは一方的ではなく、学校の話題などを楽しんで会話できるようになり、年下のお友達に話しかけて一緒に活動する場面も見られるようになりました。
時計はちょうどの◯時00分は読めるようになり、◯時30分の理解と体感とを今獲得しようと頑張っているところです。
お金の種類はほぼ理解できており、現在は大小や5円、50円を使ったやり取りの練習を続けています。

高等部2年から始まった外部での職場実習にも毎日意欲的に取り組んでいるそうです。
現場の方々とも屈託なく接し、Linkでは日々の実習の内容を楽しそうに報告してくれています。
「今日は野菜の皮むきをしたよ❗️」「えんどう豆をのせていったよ❗️」
それがどんなにエキサイティングな経験だったか話してくれ、来所するときには毎日必ず笑顔で「ただいま」と入室してくれているのだとか。

春からは最上級生になり、あと１年とほんの少しでCOMPASSも卒業です。
集団生活のルールやマナー、基本的な生活習慣をさらに身につけ、周りの人の援助や声掛けを受けながら他者との円滑なコミュニケーションが円滑になるように道を作っていきます。
今意識してまず習得してもらいたいことは、正しい言葉遣い、そして何より元気にあいさつをすることです。