COMPASS.井堀「できた！」を沢山経験して… | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS.井堀　「できた！」を沢山経験して…

2022年1月24日

月曜日のCOMPASSです。
昨年10月に開所したてのCOMPASS.井堀に系列の事業所から移ってきた年少さんのお友達。
発語はあるものの、明瞭ではなく、会話に繋がりません。

保護者様は語彙力が上がり、楽しく会話ができるようになって、お友達と交流ができるように、そして手先の動きも滑らかになり、気が散ることなく集中して物事に取り組めるようにと願っておられます。

ご意向を受け、COMPASSが定めた個別支援計画は、興味のあるものを通して語彙数を増やし、名称と言葉のマッチングできるものを増やすこと、身の回りの生活動作に興味を持てるように促して、お友達自らやってみようとする気持ちを育てながら手先の訓練を通して巧緻性の向上を目指します。
また、集団活動で課題を共有することで周りのお友達と交流する楽しさを体験し、新しい楽しさに気づいて欲しいと願います。

そんな目標のもと、始まったお友達のコンパスの日々ですが…
着座を促し「さあ始めましょう！」と取り組みますが、まるで集中できません。
特に気が乗らないときには「嫌だ、やりたくない！」とばかりに、目の前に置かれた教材を机の下に落として断固拒否。
また人見知りが強く、前の事業所から一緒に異動してきた知っている先生以外には、まるで「来るな！」とでも言わんばかりに顔を伏せてしまいます。

そこでまず取り組んだことは、ひとつひとつの課題に取り組む時間を細かく設定することからでした。
「やり遂げた！」という達成感が自信に、そして意欲に繋がります。
そのため一つ一つの課題を細かく区切り、すぐに1つ目が「できた！」、またすぐに2つ目が「できた！」と、たくさん成功体験を感じられます。
この繰り返しで、短くても最後までやる達成感をたくさん感じていくお友達です。

お友達が難しいと感じたり、気が乗らない課題では、教材をわざと落とすことで嫌だという気持ちを表現するのですが「落とす」という行動から別の表現で伝えられるように促します。
そこで、最初のうちは、例えば「お・し・ま・い！」という言葉で終わりたいという気持ちを伝える練習になるように導いたり、落とすという行動から教具箱に教材を片付け方を教えて、代わりの行動に切り替えられたりするように導きました。
また、できないときには先生が一緒にお手伝いして「できた！」という達成感を感じられるように導きます。

見通しを持たせた療育は、目に見えるように終わりと始まりがわかりやすいので、大抵の場合、大変有効に働きます。
お友達の場合も本当に細かく「ここまで」を決めて、1つ1つ達成感を感じられるようになったことで、これもまた本当に少しずつでしたが、取り組める時間、課題の個数が増えていきました。
また、元々好きだった50音唱和ではいつもノリノリで、新しい先生とも「あいうえお唱和」は楽しく実践できています。

COMPASSを利用し始めてから１年、井堀に通い出してから3ヶ月が経ちました。
お正月明けには以前に比べ、机の下に教材を落とすことはあまり見られなくなりました。
まだ言葉では表現できていませんが、できないことを表情ではアピールできるようになり、先生に助けを求めることができるようになっています。
引き続き手助けが必要な場面ごとに「手伝って！」と言葉で言う練習に励んでいます。

一方「あいうえお唱和」はますます大好きなようで、リードする先生役を皆の前に立ってやってくれているのだとか。
好きこそものの…と言いますが、以前に比べて、はっきりした発語ができ、聞き取れる５０音がどんどん増えているのだそうです。

特にお友達が嫌いで落とされていた課題といえば、巧緻性指導のものでした。
その課題の中でも全くできなかった紐通しやボタン留めが、簡単なものから出来るようになっています。
以前に比べ集中して療育に取り組める時間も増えており、離席なく取り組むことができるようになりました。

この１年で頑張ってきた色と名称のマッチング。
色とその名前は、お友達の中でなかなか一致しなかった難題でした。
それが何度も何度も、繰り返し繰り返し、必ず日々の課題として実践していく中で、マッチングができるようになっているのだそうです。
これには保護者様も喜ばれ、ご自宅でも８色ほど正しい色を言えるようになったと嬉しいご報告をいただいたのだそうです。
成長の足跡はあちこちで見られるようになり、先生から見てもお友達の名前を呼んでみたり、することを真似してみたりと、次第にお友達への興味が出てきた様子を見て、すごく成長を感じて嬉しかったと言います。

4月には５歳になり、年中さんになるお友達。
引き続き語彙数の確保、発語の発音の練習を行い、会話に繋げられるように機会をたくさん作っていきます。
1つできると何とも可愛らしい笑顔を見せるお友達、生活動作の中でできることを増やしていき、余暇の時間にも興味が出てきた周りのお友達と一緒に玩具を介したやりとりや、一緒に遊ぶことの楽しさを経験し、もっと笑顔を見せてくれるように、ステップアップできるように導いていきたいと思います。