COMPASS唐津危険を知り、避けること | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS唐津　危険を知り、避けること

2022年2月22日

火曜日のCOMPASSです。
COMPASS唐津のお友達は、小学校1年生から通い始めました。
当初は言葉の理解が低く、物の名前がわからないようでした。
そのためか自分から話すこともあまりなく、人の話を聞くことも苦手で、話している途中でも、うろうろしてしてしまいます。

また、日常生活でも危険認識が低く、車が近づいても危険だという意識がなく、とても心配です。
保護者様はお友達が言葉を理解し、コミュニケーションがとれるようになってほしい、また危ないものを危ないと判断し、注意することが出来るようになってほしいと願っておられました。

支援計画では、まず自分から発信する力＝言葉で自分の考えが伝えられるようになることを最初の目標にします。
並行して危険な行動が何かを理解できるようになり、危険認知力を高める活動を通して危険認知の力をつけていくことを目指すことになりました。

わからないことを話されても、誰だって退屈で、楽しいものではありません。
当初のお友達は集中に欠け、離席が目立ち、指示がすんなり通ることも難しかったそうです。

語彙の獲得を目指し、お友達の課題には「あいうえお表唱和」「50音なぞり書き」「絵合わせカード」「名前・数字読み書き」が選択されます。
そして身辺自立の訓練、更に危険と結びつくように色カード（信号機の理解）を使って色の認知を高めるよう導きました。
また、スムーズな言葉の表出を目指し「あいうえお表」を声に出し口の動きも見ながら読んでいきました。

色カードを使い、信号機（赤：止まる、黄：注意、青：確認して進む）を繰り返し学習します。
理解が出来てきたら、今度は実際にトランポリンでの運動を色に合わせて跳ぶという運動遊びを取り入れました。
初めはなかなかルールを理解することが出来ず、自分の手の届く範囲で理解したことがお友達独自の正しいとはいえないルールとなって、結果、間違った活動をすることが多かったそうです。

これでは周りのお友達と仲良く遊ぶことができないため、皆と同じルールで活動できるように導きます。
しかし、気持ちを潰すような強制的なものでは、理解しても気持ちよく受け入れることはできません。
先生たちはお友達の気持ちを大切にしながら、少しずつルールを守るように声をかけたり、興味のある学習を中心に活動を進めるように配慮し、集中して取り組めるように支援を続けていきました。

お友達の初めての夏休みには、言葉の理解がずいぶん進んできました。
「話し合う」ような会話はまだハードルが高いようですが、先生の指示をよく聞いて正しい行動が取れるようになっています。
挨拶でも目を合わせて会釈をし「よろしくお願いします！」と元気な声が響きます。
お友達の名前を呼ぶと、元気に「はーい！」とお返事を返してくれるようになりました。
例えば火は危ないなど、危ないもの、危ない場所、危険な行為を少しずつ理解してきたお友達です。

学習では語彙の獲得と並行して運筆訓練が行われていましたが、しっかりぎゅっと鉛筆を持てないため、その線は薄く、頼りない線でした。
このため指先の訓練として指先運動（洗濯ばさみ）などで手指の訓練に取り組みます。
この書く作業が気に入ったお友達は、なぞり書きのプリントを何枚もこなすことができるようになりました。
まだ筆圧は弱いものですが、当初に比べるとずいぶん上手に書けるようになってきています。
得意そうに見せてくれるお友達、褒める先生、そのやりとりで笑顔を見せ、何より楽しんで取り組めている様子が上達に向かう大きな要素のようです。

ご家庭でも少しずつ変化が現れてきて、指示を理解して指示に応じた行動が出来るようになってきているのだと保護者様もおっしゃっていたそうです。
危険認識も進み、危険な行動も頻度が減ってきたといいます。
そして「どっちがいい？」という2択での選択では、ちゃんと自分の意思を伝えられるようになってきたと喜んでおられます。