火曜日のCOMPASSです。
COMPASS中津に通い始め、この4月で一年半を迎える女の子がいます。
保護者様の一番の願いは「何でもいいので言葉を発してほしい。」という切なる思いでした。
そして「自分勝手な行動ばかりなので、指示で行動できるようになってほしい。」とも願っておられました。
個別支援計画では、基本的な生活動作、特にトイレトレーニング、さまざまな手段で意思表示ができるように、そして仲良く活動に参加することを目指してお友達とのCOMPASSが始まりました。
まずは座ってみたり課題に触れたりすることから始めましたが、椅子をすすめても、あっという間に離席するお友達。
なんとなくの流れで、お友達がここはどうやら先生の言うことを聞くところだと肌感でわかっているようですが、指示を出しても、わからないのか、嫌なのか、喜怒哀楽はその表情からは読み取れません。
離席を繰り返すお友達には、その度に椅子に戻ろうと声をかけ迎えに行きました。
学習中でも余暇の時間でも誰かが使っていてもお構いなしに、目敏く気になるおもちゃにまっしぐらで、奪うように取り上げてしまいます。
そこで先生は誰かから取り上げようとするたびに「ちょうだい」のサインを教え、真似ができたら渡すようにしていきました。
その頃にはCOMPASSに慣れてきていて、課題をやめたい時には先生を叩いたり、教材を落としたりするようになってきたので、今度は「おしまい」のサインを練習します。
ハンドサインを出せば、伝えたい思いが伝わることを次第に理解できていくお友達です。
一方、非言語で伝える練習と並行してトイレトレーニングも行われました。
トイレに行こうと誘っても、とりあえず嫌がる様子のお友達です。
本当に嫌なときには、全身の力を抜いて、だらーんとした体勢になり、全く動こうとしないのだそうです。
それでも再度トイレに誘うと、奇声のような大きな声を出し、叫んだり、泣いたりと、今度は力いっぱいの抵抗を見せます。
こうなってしまうと、気持ちが収まるまでは大変な状態だったと言いますが、同時に先生たちはもっと別の面を見ていました。
それは発語が全くなく、感情が表情に出ず伝わりづらいお友達の「声が出ている!」「悲しい感情が涙として出ている!」という驚きの発見や喜びでもあったのです。
排泄はおむつではなくトイレでということをしっかり学んでもらいたいと思う先生たち。
そこで習慣化を狙って、トイレ誘導の時間を決め、ルーティン化していきました。
毎回必ずやらされるのですから、お友達は次第にあまり抵抗をしなくなっていきました。
やがて、自分からズボンとパンツを脱ぐようになっていくお友達。
排尿がなくても「トイレでは必ず水を流す」というように、一連の動作を繰り返していきました。
発語の指導も利用の度に行いましたが、お友達の言葉はなかなか出てはくれません。
少しずつジェスチャーで伝えることができてはきましたが、お友達自信が楽しくステップアップするにはどうしたらいいか?と言う課題に先生たちは悩んで、考えて、考えて向き合っていきました。
そして、利用開始から半年経った初めての夏休みには、着座して課題に向きあうお友達の姿がありました。
着座ができてさらに半年、利用開始からちょうど一年経った頃、お友達は声をかけるとトイレに行って用を足すことができるようになりました。
最近では色々なことを受け入れられるようになったお友達。
例えば「たたきません。」と伝えたうえで「おしまい」と声をかけながら動作を見せ、真似を促すと、嫌がることなく模倣もできるようになりました。
指示で行動できることに関しては、促しを続けていますが、指示内容によってはバラツキがあり、まだ理解や定着の途中だそうです。
声で表現する言葉は出ていませんが、仕草を言葉にして伝えることが嬉しいとお友達もわかってきています。
これからは「ちょうだい」や「おしまい」などが確実にジェスチャーで伝えられ、もっとたくさんの言いたいことが伝えられるように、促されてから行動するのではなく、トイレに行きたいと自分から伝えてくれるようになって欲しいと願い、アプローチを続けます。
長い冬の眠りから目覚めて蕾をつける桜のように、あの日先生たちが見つけた、あのお友達の中にいる成長は花開くときを忘れてはいません。
素晴らしい笑顔を見せるようになったお友達の春も、きっとすぐそこまできているはずです。
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