COMPASS丸亀 子どもの成長する力

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS丸亀に就学から通い始めたお友達、この一年で柔らかな成長を続けています。
全く出ないわけではありませんがほとんど自発的な発語がないお友達。

相談に来られたとき、保護者様の日常生活で必要なことが身に付き、発語が増え、コミュニケーションが取れるようになって欲しいという願いを伺い、COMPASSでは、発語や日常生活動作の向上のトレーニングから始め、次いで周りのお友達と仲良く過ごせるようになることを目標を定めました。

お友達の特性から体幹は弱いと考えられました。
そのためか、胸を床にべたっとつけて寝転がることが多く、着座しても姿勢がすぐに崩れ、机に胸をつけダラーッとなっていました。
療育中の離席は少ないものの、集中できる時間は短く、気分のムラが多く、やりたくないと鉛筆や教材を投げてしまいます。

余暇の時間、お友達は「ごっこ遊び」が大好きなのですが、ほとんどの場合、それはひとり遊び。
周りにお友達がいても、玩具を独占してしまい、誰とも貸し借りができません。
遊んだ後、玩具をあちこち出しっぱなしで片付けもできませんでした。

着座姿勢が崩れがちなお友達は、しっかり課題に向き合うこともできません。
座れて、初めて目の前の課題に意識を向けられるようになり、集中して考えることができるようになります。
ですが、姿勢が崩れているよと言っても、お友達自身は自分がどんなふうになっているのかを見ることができません。
そこで先生がお友達の姿勢を真似て、どんなふうに崩れた姿勢なのかを見せ、次に正しい姿勢をやって見せます。

「姿勢が悪いと目が悪くなったり、背中が曲がったりするんだよ。」とか、「正しい姿勢だと疲れないし、勉強も早く終わるよ。」など、正しく座ることがどんなに大切かを説明します。
崩れた姿勢はかっこ悪いよと伝えると、お友達はかっこ良くなりたくて姿勢を正そうとしてみます。

シャキーンと正しく座れたら、先生は「良く出来たね!姿勢、すっごくかっこいいよ!!」と、しっかり褒めちぎります。
とはいえそんなに長く保たないのですが、崩れるたびに繰り返し、姿勢を正すように促しを続けました。

お友達と交わす言葉のコミュニケーションは「すき、きらい、いや」など一言あるだけでした。
概ねこ少ない語彙で要求表現や簡単な単語を発することはできますが、ほとんどが不明瞭でした。
そこで口舌の運動を来所のたびに繰り返していきます。
明瞭な発語の訓練と並行して、少ない語彙を増やすように、絵カードや絵本の読み聞かせを繰り返しました。

体幹のトレーニングも取り入れます。
バランスボール、ボール転がしや、トランポリンなどの体幹を使う運動遊びをたくさん取り入れました。

お友達の大好きな「ままごと」や「ごっこ遊び」などの遊びにも先生が加わり「ハンバーグをふたつ作ってください。」「〇〇さんにも作ってあげて。」などと積極的に声かけ、語彙の活用や名詞、動詞や数量などの発語や、周りのお友達との関わりを促し続けました。
遊んだ後の片付け、お勉強した後の片付けも先生が関わり、だんだんとお友達一人でできるように促しを続けていきました。

利用開始から9ヶ月ほど経過しました。
この頃にはお友達は胸を床にべたっとつけて寝転がることが殆どなくなり、着座姿勢も崩れず保てるようになってきます。
日常生活の動作が安定し、遊んだ後の玩具の片づけも最後まできちんとできるようになりました。
不明瞭な発音は残っていますが先生とのコミュニケーションやお友達同士の関わり遊びが少しずつできるようになっていきました。

生まれたばかりの赤ちゃんが寝返りを打てるようになり、ハイハイができるようになる、お友達はそんな自然な流れのように成長していきました。
日常生活動作も一つ一つを手で触れ、形や重さを確認するように、理解して、納得して、一つ一つを自分のものにしていくお友達です。
この一年で体幹の強化、着座姿勢の保持など基礎となる部分がしっかりと育ってきて、緩やかですが確かな成長の階段を登っているところです。

例えば2階への階段の昇降では、当初は四つ這い上がりとお尻をついた昇降でしたが、今は手すりを掴んで歩いて上り降りできるようになってきています。
ひとり遊びばかりだったのに、他のお友達から「おもちゃを一つ貸して」と言われ、貸し借りだけでなく、そこから会話が始まり、一緒に楽しく遊べたり、使いたいおもちゃを「貸して」と言えて、先生は目を細くして成長した姿を嬉しく見守ったのだそうです。

毎回活動やお友達の様子を細かく記録しているので、記録からたくさんの成長の軌跡を確認できますが、こうしてみるといつの間にか随分成長してきたのだと、どんな子どもにも備わってる成長する力の強さに改めて気付かされる思いです。
お友達は春から自宅からより近い系列事業所へお引っ越しになります。
新しい刺激的な毎日がお友達をどんなふうに背長させてくれるのか、次に会える日がとても楽しみです。

COMPASS発達支援センター丸亀
所在地:〒763-0082
    香川県丸亀市土器町東2丁目75-1
連絡先:0877-85-3428

(施設名をクリックして頂くと、施設案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)
Copyright(c)2018@compass328 T.0. All Rights Reserved.

初めての方へ

COMPASSの療育手法
ご利用者の声
COMPASS施設一覧