金曜日のCOMPASSです。
COMPASS坂出に通い始めて半年目になる年長さんのお友達がいます。
昨年秋のお友達は、手先を使うのがとても苦手で、生活に必要な衣服を脱ぎ着することや、トイレなどを一人ではできませんでした。
指示を聞かず、人と関わることも好まず、落ち着きがなく、気に入らないと癇癪を起こし、物を投げてしまいます。
保護者様は「身の回りのことをひとりで出来るようになってほしい。」と希望しておられました。
個別支援計画では、先生やお友達と一緒に活動に参加できるようになり、また身の回りのことが出来るようになることを目指します。
そして音楽が大好きなので一連の運動プログラムの導入は「ぴよピヨ行進曲 ♪」に乗って始まります。
「ひよこがあるいて… ♪」と流れると「歩く」
「…ひよこがとまる ♪」で動きから「止まる」
中盤の「さあ、みんな行くよー、Go!Go!」という掛け声と共に「走る」という流れです。
音楽の流れと、先生の指示に従って「歩く、止まる、走る」という緩急のある一連の動きをすることで、音楽が好きなお友達にとって楽しみながら指示に従って動く練習になっています。
座学のCOMPASSのプリント「かきかたカード」「ひらがなのおけいこ」は、当初は指先の力をつけるための運筆でした。
ところがこの課題は渋り顔で、一向に進みません。
目的は巧緻性の向上だっため、導入としての練習課題には向かないと判断し、お友達が興味を持ち始めていた「ひらがな」を書く練習に移行すると興味を示し、ノリノリで練習に取り組めました。
好きな音楽と興味を覚えていた「ひらがな」。
どの課題でも切り替えが難しく、素直に従うことが少なかったお友達ですが、文字に興味を持っていることを活かし、見通しが立てられスムースな切り替えに繋がるように、スケジュールを「ひらがな」「カタカナ」で書き、その都度お友達に読んでもらうことで成果を期待しました。
また、課題が終わった後のごほうびのゲームとして「オセロ」を提案し、このお楽しみをスケジュール表に書き、全てに花丸がついたらオセロで遊べるという楽しみがやる気に繋がってきました。
日によって気分の波はまだ大きいものの、半年経った頃にはスケジュール通りの課題に取り組むことが増えています。
「〜せん」「〜やらん」と言葉で否定はありますが、集中せず不意に離席したり、物を投げたりして怒りを表すことも少なくなってきています。
運動課題の鉄棒は、始めた頃はしっかり握ることができず、すぐに手を離していたそうですが、今では少し補助を受けながらも自分でしっかり握れるようになっています。
甘えたい様子を見せることもありますが、トイレや衣服の着脱等もほとんど自分ひとりで行えるようになっています。
3月に実施されたモニタリングで保護者様とお友達の成長度合いを話し合う機会がありました。
保護者様によればご自宅でもきょうだいがいないとき、保護者様とふたりであれば落ち着いて過ごせることが増えているのだそうです。
そして「指示に従って動けるようになってほしい。」「就学に向けて集団行動ができるようになって欲しい。」という新たな成長への希望を話しておられました。
それは数認知の学習の延長で時計の練習を始めた頃。
先生が「時計を見てください。3がきたら帰ります」と言うと、お友達は「はい」とお約束です。
3時になると、誰の指示もなく自分から片付けを始め、自分からその日の療育担当の先生に「ありがとうございました!」と言って、すぐに帰る準備ができたことに、大いに驚かされた先生たちです。
4月になり、お友達は年長さんに進級しました。
これからも「動」の運動を通して楽しみながら指示に従って行動する練習、「静」の着座姿勢で集中し考え、手を動かす練習を継続していきます。
そして来春の就学に向け、更に身の回りの動作が完成され、周りのお友達との楽しい関わりを学び、誰よりもカッコイイ1年生を目指します。
COMPASS発達支援センター坂出
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