COMPASS鍋島 ゆっくりと柔らかに(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS鍋島のお友達は昨年11月から通い始めました。
今年3歳になったお友達、春には保育園の年少さんになりました。
お友達はほとんど発語がありませんでした。
このため、伝えたい思いが言葉にならず、要求が通らないと癇癪が起こります。
そうなるとひっくり返って泣き出し、いつまでも泣き止みません。
トイレでの用足しなどの日常的な生活動作も完成されておらず、また、座ることが難しかったのだそうです。

保護者様は「言葉で自分の気持ちや思いを伝えられるようなって欲しい。切り替えられるようなって欲しい。」と願いを話されます。
またお友達はひとり遊びが多く、人との交流が難しいので、お友達と一緒に絵本の読み聞かせなども楽しめるようになってくれたら…、と望んでおられました。
11月に作成した個別支援計画では「発語」「トイレトレーニング」そして「集団活動への参加」を目標に掲げました。
これらの目標に向かい、活用したのは「絵カード」「絵本」「COMPASSのプリント」「絵本や紙芝居の読み聞かせ」といった課題です。

COMPASSではどのお友達も通ってくると、玄関で靴を脱ぎ、鞄をしまい、トイレに行き、手洗いやうがいを済ませます。
それから先生の指定した場所に着座するのですが、居心地悪そうに姿勢が乱れ、離席してしまうお友達。
先生はその都度声をかけるのですが、それでもだめだったときには先生はお友達を抱き抱えて膝の上に座らせ、机につくこと、そこで課題をやるということを受け入れられるように試みました。
トイレトレーニングでは来所時と帰る前に必ず声を掛け、トイレに行くことを促しました。

当時お友達はまだ2歳。
課題に集中し、やり遂げることは幼いお友達にとって高いハードルです。
少し取り組んでは気が逸れ、また飽きて、繰り返し促すと嫌がるようです。
そこで飽きないように、楽しく取り組めるようにタイミングを図り、早い回転で課題を変えたり、知育玩具を使用します。
またお友達は一旦遊び始めるとうまく切り替えられずに取り掛かることもできません。
そこで来所後すぐおもちゃにまっしぐらとならないよう、お友達の利用日には、お友達の見えないところに置くようにしました。

先生はいつもお友達のそばにいて「やってみよう」と励まし、お手本をやってみせ、お友達の頑張りを「よくできたね」と褒めちぎり、またあるときは遊んでいる様子を静かに見守りました。
お友達が癇癪を見せても落ち着くまで待ち、話せるようになってからはお友達の目線で気持ちを聞き、柔らかく宥め、そして新たに取り組みに向かえるように導きを続けました。
離席ばかりだったお友達が着座できるようになるまで、先生の指示で靴をしまえるようになるまでには10ヶ月程度要しました。
翌年夏になった頃には、明らかな気持ちや行動、姿勢の変化が現れてきました。
(後編へ続きます。)

COMPASS発達支援センター鍋島
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