COMPASS.Jr 社会への準備を(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS.Jrに通うお友達は3年目の夏を迎えています。
そしてこの夏は、お友達が学生として経験する最後の夏でもあります。

3年前の春、高校1年生になったばかりのお友達がCOMPASSに通い始めました。
保護者様の願いは、挨拶や日常の会話で、話す言葉が早口になりがちであるため直してほしいということや、そして卒業後、社会人としてふさわしいマナーや態度を身につけて欲しいというものでした。

残された時間はわずか3年。
個別支援計画は、保護者様の願いを受け、コミュニケーション力の向上を伸ばすことに注力したものになりました。
まず最初は困っていることを伝え、助けを求められるようになること、そして語彙を増やし、表現力を育て、会話でのコミュニケーションを磨いていきます。
もちろん社会生活に必要な知識やマナーを身に付けるという課題もきっちりこなしていきます。

当のお友達の3年前の状況は、確かに早口でこちら側が注意深く話を聞く必要がありました。
語彙も少なく、気持ちを伝えたり、状況を説明するような表現力と、複雑な言い回しもできませんでした。
文字を読むことについても、静音以外の濁音、半濁音、拗音などの読み書きも不安定なようでした。

お友達と取り組んだのは、まず「時計を読むこと」「言葉のプリント(特に丁寧語、言葉の使い方を理解できるもの)」さらに認識の甘いお金のカウントと計算でした。
時計を読むことを学んだのは、時計=時間を意識して見通しにつなげるためでもありました。

まず療育に入る前にその日の予定を伝えるのですが、時計を使って「これはここまで」「この時間になったらこれ」というように始まりと終わりを明確に意識できるようにしました。
そして、時間になったら次の行動ができるよう言葉がけをし、時間を読んで「今やるべき行動」を意識できるように促しを続けました。

課題の途中でわからないことにぶつかったとき、お友達は動きがただ止まってしまいます。
わからないときにどう聞けばいいのかもわからないようでした。
目で訴えたり、手でジェスチャーをしたりして助けを求めますが、なかなか言葉で伝えることができません。

実は、COMPASSでは、あまり視覚支援を使うことはありません。
しかし、お友達のような卒業までもうあまり時間がないケースでは、距離を縮めるために、言葉にこだわらず、指で絵を示して質問できるように視覚的な支援を活用しました。
色々な顔が描かれたパネルから、「わかりません」「教えてください」「これはなんですか」等のイラストをを選んで質問ができます。

元々人に尋ねることが苦手なお友達。
聞きたくてもなかなか言葉にできませんが、「ちゃんと聞く」ことをお友達と必ず学習前に約束することでお友達の意識が少しずつ変わっていきました。
分からない時や、手助けが必要なときは言葉で相手に伝える、また聞いたらお礼を言うことなどを教え、お友達の言葉を待つようにしました。
回を重ねるごとに「わかんなーい…」という質問か呟きか判別しにくい言葉が学んだ「わかりません、教えてください。」という言い方を頑張って口にできるようになっていきます。
(後編へ続きます)

COMPASS Jr.
所在地:〒800-0251
    北九州市小倉南区葛原1丁目3−5
連絡先:093-472-3288

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)
Copyright(c)2018@compass328 T.0. All Rights Reserved.

初めての方へ

COMPASSの療育手法
ご利用者の声
COMPASS施設一覧