水曜日のCOMPASSです。
昨年8月にCOMPASS中津Neoに系列の事業所から引っ越してきたお友達は、この春中学3年生になりました。
気持ちの浮き沈みが激しく、落ち込んだ気持ちが態度に影響し、かなり長い時間、落ち込みをリカバリーできないままという困りごとを抱えています。
学習、中でも数に対する苦手意識が強く、算数、特にお金・時計の分野を避ける傾向がありました。
ひとりでいることが安心なのか、積極的にCOMPASSのお友達と会話することもなく、交流しようという意欲も見られない状態でした。
保護者様は、気持ちの浮き沈みが激しいお友達がスムーズに気持ちの切り替えができるようになってほしいと話されます。
また日常生活に必要な対応能力を極めてほしいこと、苦手な教科に取り組み、克服しようという意志の強さを身に付けたり、具体的にお金・時計についての理解を深めていってほしいと願っておられました。
これらのご希望に沿って、支援計画ではCOMPASSでは気分が乗らないときでも、目の前の課題をするべき時にはちゃんとやれるようになることを目指していきます。
また周りのお友達と仲良く過ごせるよう、積極的に自分の意見が言えたり、思いを伝えられたりするように導いていきます。
課題では「日記」をつけることを通して想いを文章化することを大切にしました。
まずはひとりで机に向かい、出来上がった日記をお友達の前で発表します。
次に他のお友達が発表することを聞くという集団活動への流れをつくりました。
発表が嫌だという感覚に陥ることのないよう、自信を持って発表できるように、先生は書き上がったお友達の日記を丁寧に読み、発表内容の確かめを怠りませんでした。
落ち込みやすいお友達のこと、何かで躓くとその発表自体が辛いものになり、意気消沈することが目に見えているからです。
こうして事前準備をしっかりして、自信を持って堂々と発表できるように、先生と一緒に完璧に確認したものを発表するお友達です。
発表時には発表する人が話しやすいように、必ず静かに聞くという約束をして、聞いてもらえているという感覚を実感できるよう、雰囲気づくりを心がけました。
苦手意識の強い数字が関わる課題の中でも「時計を読む」「時間を計る」という課題は、繰り返し、繰り返しCOMPASSのプリントを何度も何度も行いました。
生活に直結する「お金の計算」は、実際に手で触れて数えられるよう模擬紙幣や模擬硬貨を使って、買い物のシミュレーションなどお金のやり取りを通してリアリティのある学習の経験を積み重ねていきました。
集中が途切れるような疲れが見えたときは、自作のクイズを作って皆に答えを出してもらうような活動を取り入れ、疲れた気持ちをほぐす活動も組み入れました。
もちろん人として大切な節目・節目のご挨拶や、自分の活動の報告することで、自然に次の切り替えを感じ取る機会を作ります。
繰り返しの課題の中でスローステップで難易度を上げながら、必要な基礎学力を身に付け、社会で実践できるように導いていきました。
それでも、その日その日でお友達の感情の揺れは大きく変わりました。
ふとした瞬間に辛い気持ちが溢れ出し、目に涙をいっぱいに浮かべることもありました。
そんな激しい落ち込みで活動できないときには、先生は課題とは別にしっかりと話を聞く時間をとってクールダウン。
対話は、その時々に応じて相談室でじっくり聞いたり、清掃などの協同作業をしながらおしゃべりという形で話を聞いたりと、状況に合わせて行われました。
対話で少し気分が回復したように見えても、すぐに課題・学習を促すのではなく、先生の軽作業を頼んでみたり、機能訓練で思い切り体を動かしたりして落ち込みの解消から気分が上がるように促す活動を取り入れたりもしました。
どの順番で取り組むのかはお友達にとっては重要でした。
そこでプリントや時計・お金の学習などのうち、「どれからやろうか?」と話し合い、「今日はどこまでやろうか」ということまでを事前に決めて取り組むことで、切り替えや最後までやることを学び、さらに積極性を期待します。
学習の躓きで気持ちが萎えることのないように、課題の間はすぐに質問できる環境に配慮して取り組みの継続を目指しました。
暑い夏が過ぎ、秋になり、本当に寒かった今年の2月になった頃、ようやく予兆が現れてきました。
これまでみられなかった自分から挨拶をするお友達の姿がそこにありました。
(後編へ続きます。)
COMPASS中津Neo
所在地:〒871-0008
大分県中津市大塚380-1
連絡先:0979-64-8438
(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。電話番号のクリックで電話がつながります。)
Copyright(c)2018@compass328 T.0. All Rights Reserved.